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トヨタ自動車

ヴァンガード

ヴァンガード発表会

1)トヨタのMクラスSUV第2弾、「ヴァンガード」が登場

トヨタからRAV4に続くミドルクラスSUVとなる新型車「ヴァンガード」が発表された。ヴァンガードは自動車専門誌で「RAV4のロング仕様」、「日本仕様より全長が長いアメリカ向けRAV4の日本版」などと噂されていたモデルであったが、実際にはどうだったのか? 今回はRAV4との比較も交えながら紹介していこう。(永田)

2)ヴァンガードのコンセプト、成り立ちはいかに?

ヴァンガードの開発にあたって掲げられたコンセプトは「アクティブ&ラジュアリー」だったという。フォーマルな場面からカジュアルな場面までどんなところにも乗っていけるSUVを目指したそうな。ターゲットユーザーは子育てが終わり、夫婦での時間を大切にする50代以上と30代から40代のファミリー層とのこと。

気になるヴァンガードの基本的な成り立ちだが、ベースは日本で売られているRAV4より全長の長いアメリカ仕様のRAV4。日本仕様のRAV4に比べると、全長とホイールベースがそれぞれ235mm、100mm延長され、サイズ自体はRAV4と全長以外ほぼ同じ4570mm×1855mmもしくは1815mm×1690mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース/2660mmとなる。しかし、スタイルやインテリアを見ると分かるようにRAV4とはずいぶん違うクルマになっているようである。

ヴァンガードの導入の目的について商品企画担当の方に伺ってみると「7人乗りでミニバン的にも使えるSUVが欲しいという要望が多かったから」とのこと。また、トヨタのミドルクラスのSUVに比較的若者向きのRAV4だけでなく、30代から40代以上でも乗れる大人向けのモデルも必要だったという側面もあったのかもしれない。

なお、扱いディーラーはカローラ店とトヨペット店となる(RAV4はネッツ店)。カローラ店では5月にクルーガーの販売が終了しているためSUVの持ち駒はないが、トヨペット店にはすでにハリアーが販売されており、バッティングしないか?ということも考えられる。このあたりに関しては「ヴァンガードには3列シートもあるので、ハリアーとは違ったユーザー層に支持されると思います」という答えであった。(永田)

車両概要を説明する開発責任者の柴原チーフエンジニア

3)スタイルはRAV4よりもカッコいい?

スタイルはRAV4と比較しながら見ていこう。まず、顔つきから見ていただきたい。

RAV4

こちらがヴァンガード

RAV4に比べると精悍で、細部の印象も洗練されていると言えそうだ。

サイドビューは全長、ホイールベースが伸びた分が主にリアドア以降に使われていることもあって、伸びやかさが増し、よりSUVらしい力強いスタイルになっている。また、見る角度によっては全長が長い分でクルマ全体が低く見えることもあるかもしれない。

小ささが魅力のRAV4

SUVらしさはこちらの勝ち?

そしてリア周りは背面にスペアタイヤを背負うRAV4に対して、ヴァンガードはスペアタイヤがないため(カバー付き背面スペアタイヤのオプション設定もあり)、通常の乗用車に近い雰囲気となっている。

RAV4は背面スペアタイヤ

後ろから見ると背が高めな乗用車といったところか?

全体的にヴァンガードはなかなかスタイリッシュに仕上げられており、スタイルも魅力の1つとなるのではないだろうか。(永田)

4)インテリアも1クラス上の仕上がりに

ヴァンガードのインテリアはダッシュボードなどを見ていただくとお分かりの通り、基本的にRAV4と同じ形状となっている。しかし、随所に使われているブロンズ調のパネルやRAV4よりも格段に上がった質感などにより、全体的な印象はミドルクラスのSUVとしてはトップクラスの仕上がりを見せる。

ブロンズ調のパネルはなかなか新鮮

アルミ基調のRAV4のインテリア、こちらは質実剛健といったところか

また、RAV4になかった1列目、2列目のフルフラット機能も追加され利便性も向上している。

フルフラットシートはやっぱり便利

シートといえば、“Gパッケージ”の装備される本革とアルカンターラのシートが見栄え、手触りともに素晴らしいこともお伝えしておこう。(永田)

出来ればこちらのシートを選びたい

5)居住性も大幅にアップ

続いて、リアシート、ラゲッジスペースを見ていこう。まずリアシートはMクラスのSUVとして相応しい広さを確保している。RAV4と比べるとホイールベース、全長が伸びている分でゆったり感は一回り上である(乗降性はSUVとしては標準的)。

7人乗り仕様の3列目シートの広さは、SUVの3列シートによくある「短時間なら使える」といったところ。しかし、7人乗る機会がある方には魅力的なアイテムとなるに違いない、

ミドルクラスSUVでは貴重な3列シート

ラゲッジスペースもRAV4より一回り広い。乗員4人+荷物がたくさんという使い方にも十分対応できるだろう。

床下の収納スペースも便利

また、ヴァンガードのシートアレンジの美点として非常に使いやすいことが挙げられる。3列目へのアクセスのためにシートを倒すのもやりやすいし、3列目の収納(床下)も容易だ。(永田)

6)パワートレーンの目玉は3.5リッターV6!

ヴァンガードには2.4リッター直4と3.5リッターV6という2種類のエンジンが用意される。

2.4リッターは05年秋にRAV4が登場した際に大規模な改良を受けたもので170馬力の最高出力を発生。RAV4よりは70kg程度重いものの、さらに100kg程度重いエスティマの4WDでも十分な動力性能を確保していることを考えれば、十二分なパワーと予想できる。

3.5リッターV6もエスティマやハリアーと同じエンジン(通常のインジェクション)で、最高出力は280馬力となる。こちらはまるでスポーツカーのような加速力を見せてくれるだろう。

3.5リッターV6はSUV離れした豪快な加速を見せるか?

トランスミッションは2.4リッターが7速マニュアルモード付きCVT、3.5リッターが5速ATである。なお、エスティマの3.5リッターは6速ATとなるが、このあたりについては「5速ATが最適な選択だった」とのことであった。

4WDシステムは通常時はFF、滑りやすい状況になると後輪にもトルクを配分する電子制御タイプの「アクティブコントロール4WD」だ。3.5リッターにはドライバーの任意で後輪にも45%程度のトルクを配分できる「ロックモード」も備えられており、雪の降った坂道でのスタートやぬかるみからの脱出に役立つだろう。また、坂道での発進の補助をする「ヒルスタートアシストコントロール」、下り坂でのスピードを制御する「ダウンヒルアシストコントロール」が全グレードに装備されており、悪路や林道でのドライブも安心してこなせそうである。(永田)

ロックモードと坂道でのアシストは厳しい条件下で強い味方になりそう

7)RAV4譲りの足回りはコンフォート性重視

ヴァンガードのプラットホームは前述したとおりRAV4のホイールベースを100mm延長したもので、サスペンション形状等(フロント/ストラット、リア/ダブルウィッシュボーン)もRAV4と共用となる。足回りのセッティングはV6と直4でそれぞれ別となっており、どちらも乗り心地重視だという。なお、タイヤサイズはV6/18インチ(235/55R18)、直4/17インチ(225/65R17)だ。

さらにボディの結合部、バックドア開口部、サスペンション取り付け部等の補強も行われており、乗り味の向上がつながっているようである。

また、防音や風切り音を低減するための対策も入念に行われているおり、トップクラスの静粛性を実現しているとのこと。

ヴァンガードに乗る機会に恵まれたら、ハンドリングと快適性のバランスにも注目したいところである。(永田)

爽快な走りと快適性の両立に期待

8)価格設定は絶妙

ヴァンガードのグレード体系は2.4リッター、3.5リッターともにベースグレードのS(2.4リッター/264万6000円、3.5リッター/305万5000円)とS“Gパッケージ”(2.4リッター/288万7500円、3.5リッター/329万7000円、どちらも5人乗りの場合)の2種類となっており、全グレードに5人乗りと7人乗り(5人乗りに対して4万2000円もしくは5万2500円高)が用意され、駆動方式は4WDのみとなる。

装備内容はSでも姿勢制御デバイスのS−VSC、サイド&カーテンエアバッグ、ディスチャージヘッドライト、クルーズコントロールまで標準装備(オーディオ関係は全グレードでオプション)となっており、装備の充実度は非常に高い。SとS“Gパッケージ”の装備差は主にシート関係(運転席・助手席の電動シート、本革+アルカンターラの表皮)なので、「買うならSの方がお買い得」と感じる。しかし、インテリアのところで触れたように本革+アルカンターラ地のシートのシートの出来が非常にいいため、20万円以上の差額は大きいが、迷いところかもしれない。

イストに続くサイド&カーテンエアバッグ全車標準装備第2弾となったヴァンガード

続いて、ライバルと想定されるモデルと価格を比較してみよう。まず、2.4リッターは同じクラスで7人乗り仕様もあるという部分でアウトランダー(Gの7人乗りで266万7000円)が最も近いライバルだろう。それぞれのアドバンテージはヴァンガード/サイド&カーテンエアバッグとクルーズコントロール(240Sの場合)、アウトランダー/パドルシフト、ロックフォード社製のオーディオとなる。どちらも甲乙つけがたいところだ。

3.5リッターのライバルと考えられるのはハリアーの3.5リッターだろう(近いグレードは350G 4WD、344万4000円)。ヴァンガードの350S“Gパッケージ”(5人乗り)とハリアー350G 4WDを比べると、ハリアーにはサイド&カーテンエアバッグがオプション設定で、ヴァンガードにはオーディオが付かないため、ほぼ価格設定通りの15万円程度の価格差といえる。ハリアーには独自のブランドイメージや4WDシステムがメカニカルなLSD付きセンターデフタイプとなるという部分もあるため、どちらが得とは一概に言いにくいが、こちらも迷ったらなかなか結論出しにくいだろう。

ちなみにヴァンガードの240S(5人乗り)とRAV4の上級グレードとなるG(S−VSCとサイド&カーテンエアバッグを付けると約250万円)を比べると、価格差は15万円弱となる。この程度の価格差だったらRAV4の購入を考えているユーザーに「もうちょっと頑張ってヴァンガードにしようか」という考える向きも多く出るかもしれない。

ヴァンガードの価格設定は、全体的に「トヨタらしいうまさ」が目立つといえるのではないだろうか。(永田)

犬と一緒に出かける際に役立つ用品も充実

9)ヴァンガードは予想以上に売れるかもしれません

トヨタが設定したヴァンガードの月間販売目標台数はモデルサイクルを通して2500台、立ち上がりの今年9月から12月にかけては3500台だという。スタイルやインテリアの仕上げ、充実した装備、そしてカローラ店とトヨペット店の販売力の強さを考えれば、目標台数をクリアするのは決して難しいことではないだろう。今年に入って、ホンダのクロスロード、日産からデュアリスとモデルチェンジされたエクストレイルが発表されるなど、再び元気が出てきたSUV市場でヴァンガードがどのくらいの支持を集めるか、非常に興味深いところである。(永田)

渡辺社長とヴァンガード

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