エスティマが何と! 10年経って初めてのフルモデルチェンジをした!それだけ基本設計が良かったということなんだろう。果たして新型エスティマは、名車の後継車として高い評価を得られるだろうか? 試乗速報と合わせ、ジックリ分析してみることにした。

 先代のエスティマ、本来なら「こんなに売れるハズじゃなかったのに!」的なクルマだった。というのも、当初はアメリカ専売モデルとして企画されたからである。先代エスティマの開発がスタートした85年前後は、3ナンバーモデルの税金恐ろしく高い上、日本の道路じゃ全幅180pのクルマなど扱いきれないと思われていたからだ。このあたりの事情はオデッセイと似ている。しかし89年に行われた税制改革でガラリと事情は変わってしまう。
 かくして日本でも販売することになったものの、左ハンドル専用設計だったため、左側にスライドドアを設けると燃料給油口がドア開けた時に接触してしまう、など難問続出。しかし売れ行きは予想外に好調で、幅を狭くし小型車とした『ルシーダ/エミーナ』という子分まで作られたほど。そのエスティマが初めてのモデルチェンジを行った。新型エスティマは国内専用車となり、さらにエミーナ/ルシーダも統合されたという。果たして!


 デザインは先代エスティマの特徴をしっかり引き継いだ。トヨタが言うところの『天才タマゴ』。日本製ミニバンの多くは、ボンネットとフロントガラスの角度をワザと変えている。なぜか? ここを同じ角度(専門的にはワンモーション・デザインと言う)にしてしまうと、コドモが書いた絵のようなジドウシャになってしまうのだな。VWシャランなどを見ると、やっぱり単純なデザインに感じてならない。しかし先代エスティマのデザインは大成功だったと思う。自動車の歴史上、最も成功したワンモーション・デザインだと評価されているほど。トヨタも意識しているらしく、新型もワンモーション・デザインにあえてチャレンジしたという。
 しっかりチェックすると、カンペキなワンモーションではない。真横から見れば解るが、ワイパー部分にホンの少し”平坦地”を設けており、これでずいぶんとイメージ変わっている。とは言え『天才タマゴ』の基本的フォルムは継承。誰が見てもエスティマらしさを感じさせるようになった。フロントマスクは最近のトヨタ流。セリカのように個性的な形状のヘッドライトがアクセントだ。個人的にはシャープで好ましいと思う。キープコンセプトのオデッセイと全く違って面白い。ボディ側面は変化を付けるため、少し凸凹(キャラクターライン)が付けられている。もし好き嫌いが出るとすれば、このキャラクターラインかも。


 ボディサイズも先代エスティマに準じている。全長4750oは全く同じ。幅で10o。高さ10o小さくなり、最小回転半径が10pコンパクトになったくらいだ。ここで興味深いことは二つ。まず小さなエスティマを廃止してしまった点。トヨタに聞くと「ボディサイズはあまり売れ行きに関係ないと思っています。燃費をエミーナ/ルシーダより向上させましたし、価格もルシーダ/エミーナと限りなく近づけましたので、喜んでいただけるんじゃないでしょうか」。ま、期せずして新型エスティマと同じボディサイズになった新型オデッセイの順調な売れ行きを見ると、半分納得してしまう。個人的には小さいエスティマがあったら使い勝手いいと思うけど。
 二つ目は、グランビアのような1BOX後継型ミニバンより低く、かといってオデッセイに代表される乗用車型ミニバンより高い、という車高。自動車雑誌のカタログ特集の際、ドッチに分類していいのか迷ってしまう。使い勝手や走りからすれば明らかに乗用車型なんだけど、回転対座シートやサードシートの座り心地などからすると、1BOX後継型ミニバンに限りなく近い。先代エスティマもそうだった。これを「中途半端」と考えるか「両方の長所を持っている」と考えるかで評価は決まってくるのだろう。高い次元の走りを実現し、ユッタリとした室内スペース持っているので「優れている」と考えざるを得まい。


 最大のポイントは、エンジンの搭載場所を床下からフロントに移動させたことにより、フロア高が7pも下がったこと。エスティマの大きな特徴だったミッドシップエンジンを止め、常識的なFFとしたのだ。結果、7pフロアは低くなったため、全高が1p低くなったにも関わらず、室内高はむしろ拡大している。じゃ7p天井高くなったのかとなれば、そうでない。フロア下がった分だけシートも低くしてしまうと、座った感じがミニバンっぽくなくなってしまう。
 シート高は4pしか下げていない。つまりシートから床まで従来型より3p高くなったワケ。座ってみると微妙に雰囲気が違う感じ。ドライビングポジション的には1BOXカー後継型ミニバンに近いのだ。これ、マイナス評価でない。むしろ視界など広くなるため、乗りやすくなったと思う。ドライバー席のヘッドスペースは3p大きくなった。元々エスティマでアタマが天井に当たるヒトなど少数派だったろうから「十分に余裕ある」と書いておく。いずれにしろ運転席は3ナンバーのミニバンらしく、ユッタリと座れる。



 セカンドシートに座ると、明らかに広くなったように感じる。従来型エスティマの場合、エンジン様がモロ足下。搭載場所移したことにより出っ張りは完全に消えてしまった。足を置くスペース広がりシート着座位置も5p低くなっている。シートそのものは前後方向に48,5pスライド可能(7人乗りも8人乗りも同じ)。これだけスライドさせられると、誰だって満足出来るスペースを作り出せるだろう。もちろん運転席やサードシートに座ったヒトの体格によって違ってくるが……。
 サードシートはどうか? 数値的に見ると、従来型より3pヘッドスペースが大きくなった。確かに従来型のサードシート、座高の高いヒトだとアタマは微妙に当たってしまう。新型だと「まぁまぁ納得できる」余裕。また、サードシートも25pスライドする。標準状態だと男性じゃ厳しいレッグスペースながら、16p下げればOK。加えてサードシートへの乗降性が素晴らしい! セカンドシートを前に倒すと、何のストレスもなくサードシートにアクセス出来るのだ。

 トヨタ車らしく、新型エスティマも回転対座シートに強くこだわっている。8人乗りの『G・X・アエラス』を選ぶと、1BOX後継型ミニバンのように回転対座モードがあるのだ。しかも単に回転するだけでない。セカンドシートを目一杯前方にスライド。サードシートは同じくギリギリ後方にスライドさせると「おお広いじゃないの!」と驚くくらいの対座スペース。数値は発表されていないので計ってみたら、イラストの間隔は163p。純粋なレッグスペースだけで69pもあった。新幹線のグリーン車を対座モードにした時くらいの広さを持つ。これだけ広いと、対座モードもいいなぁ、と思ってしまう。ディーラーに行ったら、ぜひ試してみるべき。
 面白いことにセカンドシートは一体式のベンチタイプでなく、6対4の分割型。8人乗りなのに、左右シートを別々の位置でセレクト出来る。大きな荷物を積むときや、いろいろな体格のヒトがフル乗車する時など、最適の位置を選べるという寸法。これまで左右ハネ上げタイプだったサードシートは、チップアップして前にスライドさせるタイプになった。大きな荷物を積む、という点からすると不利になってしまうけれど、ハネ上げ式は大きくスライドさせる機能を付けることが出来ない。主として荷物を運ぶミニバンであればハネ上げ式を選ぶべきだろうけれど、エスティマって乗用車に近い使い方。トヨタの選択は納得できる。


 セカンドシートは基本位置を中心とし、前に24p。後ろに17pスライドする。サードシートも前9p。後ろ16pスライド。お好みのレッグスペースが選べるようになっている。試してみたトコロ、身長180p級のお客サンばかりだと、セカンドシートを少し後方にセット。サードシート最後部にセットして快適。身長165pくらいなら、全てのシートを標準的な位置にして楽々座れると思う。つまり親子4人+その御両親といった2世代でのファミリーユースだと、ユッタリ座れるシートアレンジということ。トヨタの資料によれば、先代エスティマより室内の前後スペースも大幅に広くなっていると書いてある。大幅に、とは感じないけれど、十分だと思った。
 セカンドシートがキャプテンタイプの7人乗りは、回転対座モードを持たない。しかもセカンドシートの折り畳みも出来ず、実用面からするとイマイチかも。8人乗りでも大型のセンターアームレストが付くので、セパレートシートみたいである。強いて言えば7人乗りだとセンターウォークスルーになるというくらいか。ただサードシートへのアクセスは、セカンドシートを前に倒せば容易。したがって運転中に車内移動する、というヒト以外は、あまり7人乗りのメリットがないような気がする。座り心地という点でも大きな差ないと思う。お買い得バージョンの『J』は、回転対座しない8人乗り。これで困らない。


 コクピップは意欲作だった先代エスティマを意識したのだろう。けっこう頑張っている。このクラスじゃ珍しいセンターメーターを採用し、シートに座った瞬間「おおおお!」。ナニがおおおなのか不明だけど……。とりあえず写真を見て欲しい。文字で説明しても、伝えられないです。センターメーターは一段と使いやすくなってきており、スピードメーターなど中央部に置くものの、緊急時やトラブル時に点灯するインジケーターランプをドライバーの真正面に配置するなど、安全性の確保も意識している。新しさ、という観点からすれば、やっぱり従来タイプのインパネよりイイ。老眼気味のヒトだと、メーターの文字も見やすいそうな(ワタシは困ってない)。
 トヨタのコラム式ATのセレクトレバーは以前から使い易いという評価を得ていたが、新しいエスティマも良好。ガングリップタイプを採用しており、操作感イイ。また、最初に説明したように、フロアとシートの距離が広くなったため、従来型エスティマよりアップライト(背もたれを起きし気味)のドライビングポジションになった。副次的なメリットで、前方視界はググッと良くなっている。レースやラリーといったモータースポーツをするときも、シートは可能な限りアップライトにするのだ。そうそう。ワンモーションタイプのデザインにすると異様にフロントガラス前端が遠くなり、拭きにくい。小柄なヒトだと手は届かん。


 このクラスでけっこう重要なのが空調性能。絶対的な容量不足だと、夏場冷えない。先代エスティマはアメリカ輸出を前提にしていたこともあり、空調能力に関しちゃ万全だったと思う。アメリカ人って、エアコンの効きは猛烈にウルサイのだ。とにかく大量の冷風がスイッチオンと同時ドバッと出てこないとダメ。残念ながら今は冬なので試せなかったものの、トヨタの技術者に聞くと「先代エスティマから一歩も後退してないと思います」という。リアクーラーの吹き出し口もセカンド&サードシートの左右方向に計4箇所設置されており、短時間で室温を下げられるようになっている。ヒーターの吹き出し口も、サードシート下2箇所にあった。
 収納スペースは、このクラスの標準といってよかろう。それぞれのシート左右に500tのペットボトルまで入れられるドリンクホルダーがあり、ポケットもA4サイズの地図まで対応。スライドドア式のミニバンは、スラドドア部分の収納スペースが少ない傾向。エスティマのドアは厚いので、奥行きを確保出来たのだろう。快適装備とは言えないかもしれないけれど、スライドドアを左右両サイドに付けている。トヨタに限らず最近の流れだが、やっぱりリアのドアは左右にあるべき。スライドドアのイージークローザーをGに標準装備。その他の全グレードはオプションになってしまうけれど、5万円高で装着出来る。


 3列全てのシートを使っている時のラゲッジスペースは、サードシートのスライド量によってきまってくる。すなわち、25p前後に移動出来るサードシートをどの位置にするかで、残るスペースが違ってくるワケ。計ってみると、最も前の状態にした時に残るラゲッジスペースは38p。率直な評価を下すと「驚くほど狭い」となる。6人分の荷物だと、小さなボストンバッグしか積めない。このモード、荷物は全然無しで、とりえあず全てのシートに快適な居住空間を提供したい、という時に使うべき。近所まで食事に行くモードだと思ってよろしかろう。
 逆にサードシートを目一杯前にスライドさせれば(このモードだとセカンドシートを前に移動させないとサードシートのレッグスペースはゼロ)、62pの荷物置き場が出現する。なんだ、24pの違いやんか、と思うなかれ。写真を見ていただければ解るとおり、これだけ広いとけっこう荷物が積めてしまう。重いモノはキチンと重ねフロアに積んだ後、軽い衣料などリアハッチを開けずサードシートから放り込んでいけば、予想外に飲み込む。キッチリと試していないのでウカツなことは書けないものの、6人分のスキー用具一式くらい入りそう。


 サードシートをチップアップし、一番までスライドさせた5人乗り状態にするとどうか? これまた32pスライドするセカンドシートのポジションで変わってくる。セカンドシートのレッグスペースを最大限に取ると、残るラゲッジスペースは79p。これだけあれば5名分までのオートキャンプグッズや、スキー&スノボの用具一式も軽く収納出来る。5人までで遊びに行くなら、ユッタリ座りつつ荷物も積めると思ってよろしい。もっと大きな遊び道具(自転車など)を積みたいなら、セカンドシート前にスライドさせ111pのスペースが作れる。
 さらに大きな荷物を積みたい時はどうしたらいいだろう。8人乗りを選ぶとセカンドシートもチップアップし、さらに10pスライド量が増える。こうして生まれる最大ラゲッジ奥行きは、約125p。少し計算合わないけれど、折り畳んだシートの背もたれに荷物をメリ込ませれば、ホンの無理が利く。よってカタログスペックより10p近く長いモノを積めると思う。ちなみに軽いモノを運ぶなら、セカンド&サードシートをフルフラットにすれば、奥行き208p。幅124pあるので、ベニア板サイズだったら楽に入る。ラゲッジ容量としちゃ十分でしょう。


 エンジンは、新型エスティマで最も大きく変わったコンポーネンツの一つ。従来型に搭載されていた2,4リッターの4気筒をアッサリと廃止している。このエンジン、普通の4気筒を横倒しして搭載するという変わった方式だった。エンジン自体の基本設計も旧態化しており、燃費やパワー的に限界だったかもしれない。新しいエンジンは、新開発となる2,4リッターの4気筒と、ウィンダムやマークUクオリスなど高級乗用車に搭載されている3リッターV6というラインナップ(試乗記は巻頭を参照のこと)。
 注目したいのが新世代の2,4リッターだ。従来型はスーパーチャージャーと呼ばれる過給器(ターボと同じ役割)を装着して160馬力。新エンジンも160馬力ながら、圧倒的に燃費の良いノーマルエンジンである。燃費も10・15モードで8q/リッターから10,6q/リッターまで25%伸びた。実際のテストデータだと、30%近く向上しているそうな。参考までに書いておくと、最高速は従来型180q程度。新型になると190q前後まで伸びるという(180qで速度リミッターが作動)。
 3リッターV6は220馬力を発生。1720sと車重的に従来型エスティマより軽くなったこともあり(従来型のGは1770s)、一段と活発に走る。10・15モード燃費だって従来型2,4リッターを大幅に凌ぐ9,4q/リッターを達成した。従来型2,4リッターから乗り換えると、確実に20%くらい燃費良くなると思う。カコミ記事で説明するように、4WDはイプサムやガイアで採用され大好評の『アクティブコントロール4WD』。もし4WDを選ぶなら、余裕ある3リッターにするのもよかろう。


 これまでのエスティマは、車体の中央部にエンジンを搭載するミッドシップレイアウトだった。普通、ミッドシップといえばスポーツカーが好んで採用する方式で、ミニバンとしちゃ極めて珍しい。トヨタも新しいエスティマを開発するに当たり、けっこうミッドシップにこだわったとか。ただエンジン騒音の関係や(エンジンと乗員の距離は遠い方が有利)、エンジンの自由度が少ない(だから従来型はV6を搭載できなかった)などの理由で、オーソドックスなFFレイアウトとしている。考えてみればスポーツカーじゃないのだから、ミッドシップにこだわる必要などないのだ。トヨタの選択は正しいと思う。
 したがってシャシはガラリと変わった。フロントサスペンションにストラット。リアサスペンションをトーションバー式とするのは、最近のトヨタが得意としているアプローチで、プリウスやビスタ・アルデオなどと親戚関係に当たると考えてよい。興味深いのは、いずれもハイブリッドシステムに対応することを前提としていること。新しいエスティマも1年遅れくらいでハイブリッドモデルを出すことは、公然の秘密となっている。新しいシャシのメリットで、最小回転半径は5,6mに収まった。従来型のエミーナ/ルシーダと同じ回転半径だ。このあたりも、エミーナ/ルシーダから乗り換えてもらえるように配慮したポイントだと思われる。


 これまでのエスティマは、お世辞ににも安全なボディと言えなかった。90年に発売された当時、ミニバンで最も安全なボディと言われたエスティマながら10年の進化は急。完全に取り残されてしまったのだ。アメリカでは98年から『シェナ』と呼ばれる、GOA基準クリアの後継モデルにバトンタッチしている。新型は言うまでもなく”新GOA”対応。新GOAという呼び方は公式に無いのだけれど、トヨタ社内で使われているという不思議な区分。最新のGOA基準(GOAというのは世界最先端基準のこと。したがって進化する)だと思えばよい。
 具体的に書くと、正面と側面、後面衝突が日本の基準値50qを超える55q。オフセット衝突はヨーロッパでの新しい基準となりつつある『ユーロNキャップ』と、アメリカの『保険協会基準』の64qに対応しているというもの。文字通り現在世界で最も厳しい水準をクリアしてると思ってよかろう。さらに事故を未然に防ぐためのEBD付きABS(どんな積載状況でも最良のブレーキバランスを自動的に選ぶ)を全車に採用。3リッターFFモデルはオプションでスピン防止装置VSCも装着出来る。十分安心して買える内容。


 環境問題の対象は、排気ガス(健康問題)と燃費(地球温暖化防止)の2点。前者に関して言えばディーゼルエンジンのラインナップが無い点と、排気ガス基準で『J−TLEV』(移行期低排出ガスレベル)をクリアしており、達成度高いと評価できよう。J−TLEVは2〜3年後の主流と考えられる排気ガス基準。『LEV』ほどでないけれど、暖機が終了すれば人間に対する悪い影響を与えない、と言えるレベル。家庭用の石油ファンヒーターと同等だと思えばよろしい。クルマの排気ガスを暖房に使うヒトはいないだろうけど。
 燃費は、従来型エスティマから乗り換えてもらうだけで、25%ほどの二酸化炭素削減になる(V6だと20%くらい)。これまでエミーナ/ルシーダのディーゼルに乗っていたユーザーはどうだろう。新型エスティマの二酸化炭素排出量は、エミーナ/ルシーダのディーゼルよりデータ上で少ない。ディーゼルのユーザーが新型に乗り換えてくれれば、汚染物質で少なくとも100分の1。二酸化炭素の排出量も削減できる。素晴らしいボランティアだと思う。1年遅れで(早ければ12月か?)リッター15qくらい走るハイブリッドも追加される予定。


 気になる3リッターV6と2,4リッターの価格差は24万円。これは予想していたより大幅に少ない。というのも「トヨタの常識」を当てはめると、4気筒と6気筒で最低15万円。排気量差600tあれば、これまた最低で15万円くらいの金額差になるためである。おそらくエスティマからの乗り換えユーザーにV6エンジンを。エミーナ/ルシーダから乗り換えるユーザーは4気筒をすすめていくんじゃなかろうか。参考までに書いておくと、フル装備グレードの価格は従来型エスティマ『G』で338万8千円。新型の『G』V6が310万円だから、パワーアップしつつ安くなったことに。従来型エスティマから乗り換えるなら、このグレードを基本としたい。
『G』と中間グレードである『X』の装備差は、CD付きオーディオ、イージークロージャー、HIDヘッドライト、アルミホイール、木目調パネルなどオプションや後付すると25万円相当の価値。一方、価格差は38万円あるので、とりあえず『X』がお買い得ということになろう。『J』は回転対座シートと、アームレスト類、マニュアルエアコンになる程度で19万円も安くなるから嬉しい。ベーシックグレードとしては必要にして十分だ。ドレスアップしたような外観と、ヨーロッパ仕様に準ずるスポーティな足回りを持つ『アエラス』も最初から設定された。4WDは全てのグレードに24万円高で用意されている。


 コストパフォーマンスは従来型エスティマより確実に良くなった。2,4リッターエンジン車なら、税金類全く同じ。実用燃費で30%近く良くなるため(しかもレギュラーでイイ)、平均してリッター6q走るような使い方で月間千q走ると、ガソリン代だけで年間6万円以上浮く。エミーナ/ルシーダのディーゼルエンジンと比べても、おそらくイイ勝負じゃなかろうか。新型V6エンジン搭載車を選んだバアイも、従来型エスティマより確実に4万円前後ガソリン代の出費は減るだろう。自動車税分くらい制約できると言うことだ。
 ここでライバルとして急浮上してくるのが新型オデッセイ。新型エスティマて、なぜか一回り小さくなったような感じ。となると価格やボディサイズ&重量、車格など含め、オデッセイがライバル関係、と言ってもよかろう。同じクラスのミニバンで、乗用車っぽいのがよければオデッセイ。1BOXカーに近い使い勝手を望むならエスティマといった具合。コストパフォーマンス的には、リーズナブルなオデッセイ有利か? 同じ装備内容持つグレード同士で比較すると、オデッセイの方が20万円くらいコストパフォーマンス高いのだ。


 新しいエスティマ、なかなか良いミニバンに仕上がっていると思う。なかでもコストパフォーマンス高いのは、4気筒エンジン搭載車。従来型エスティマのスーパーチャージャーエンジンと同等の走行性能を持ち、それでいて燃費で30%も良くなっている。スムースでパワフルなV6は当然のごとく素晴らしいけれど、自分で買うなら理性を持つつ2,4リッターにするだろう。ただ3リッターの『G』のみ装着できる、レーダー式オートクルーズに後ろ髪を引かれるが……。ま、『G』を買うなら、1年間待ってハイブリッドモデルにする。ハイブリッドにもオートクルーズは設定されるに違いない。価格的には4WDの『G』の50万円高くらいか?
 グレードは迷った末『X』としたい。『J』も悪くないけれどオートエアコン欲しいし、回転対座やアームレストだって付く。19万円高いが、将来的な下取り値も19万円以上高くなると思う。『G』は割高。CD付きオーディオなど付くものの、ワタシならオーディオ付かない『X』買い、MD付きオーディオ(6万円あれば純正品以上の音質)を選ぶ。アルミホイールは、6万円のオプション。付けても付けなくてもいい。ということで248万円の2,4リッター『X』がワタシのお気に入り。この御予算で広い室内スペースと、世界最高水準の衝突安全性を持つLクラスのミニバンが買えるならお買い得だと思う。