マーク23兄弟のバリエーションは強烈に多いが、エンジンは基本的に3つと考えてよろしい。それぞれの印象をびしばし斬ってみたいと思う。
<2000t/125馬力>
 このエンジンは2リッターのグランデに搭載される。新型マーク2は車格がアップしたから、たいていのヒトは2、5リッターがメインになると思ってるに違いない。でもバイヤーズガイドのページでも書いたように、買い得なのは2リッターのグランデ。ただ心配なのは走り。パワー不足だとつまんないのはいうまでもない。遅いクルマはすぐに飽きるからね。
 結論からいうと、走りは充分であった。旧型より大幅に軽くなった車重が効いてか、スタートダッシュもまったく不満ないレベル。最高速だって、おそらく180qのリミッターに当たるくらいは出ると思う。しかもエンジンが軽いためなのか(2、5リッターより80sも軽い)、ハンドリングは素直。ボクみたいに多少気が短いユーザーでも、こいつで充分である。

<2500t/180馬力>
 新型マーク2の売れ筋となるのがこのエンジンを搭載したグランデ。トヨタも2500tがベストバランスだと思っているという。乗ってみると確かにいい。アクセルを開ければ必要にして充分な加速が獲られるし、その気になればスポーツカー的な走りだって可能。ハンドリングも2リッターと比べると少しだけアンダー傾向が強くなるものの、マーク2のユーザーにはまったく問題ないと思われるレベルであった。コストパフォーマンスを考えればベストなマーク2といっていいと思う。

<3000t/220馬力>
 このグレードはダンナ仕様と割り切ったみたいだ。エンジンが重く、足回りもソフト。マーク2とは思えないくらい動きもニブイ。一昔前のクラウンを想像してもらえばいいだろう。普通のユーザーにはすすめない。
 以上、ザッと説明したが、ほとんど完璧と思える商品力を持つマークUにも弱点がないわけじゃあない。筆頭に挙げたいのはインテリアが安っぽいこと。あのインチキ風木目パネルは、ない方がずっといいと思う。やるならウィンダムみたいに、キチンと質感を出すように。
 も一つはオーディオのクオリティがトヨタとは思えないくらい低いこと。標準装着のものは低音がまったくダメな上、音質自体も濁り切ってる。特に2、5リッターのグランデはCDが標準だから期待したけど、ダメ。オプションとなるDSP付きスーパーライブサウンドも、トヨタの新型車と考えれば並以下。買うときは期待しないように。逆に考えると、弱点はこの2点だけ。もし「マーク2を買おうと思ってる」というなら文句無しにすすめたい。

<ツアラー>旧型マーク2のツインターボは、完全にエンジンが足に勝っていた。だって峠道でアクセルを全開にすると、すぐに横を向いちゃうのである。ドリフトごっこの練習にゃいいだろうけど、あまりにレベルが低いってもんだ。多分トヨタも本気で走りを追究したワケじゃなかったんだろう。今度のツインターボも、最初は「従来通りとりあえずラインナップに加えました」って感じだと思ってた。ところが、である! 発表されたスペックを見ると、こいつが凄いじゃないの!
 FR車では初めて前後のタイヤサイズを換えてきたのを始め、タイヤはBSで最高の、というより世界的に一流といわれる010を履く。ミッションもマニュアルを設定するなど、相当本気みたいだ。したがって試乗会で最初に乗ったのは、当然最強バージョンであるツアラーVのマニュアル。ギアを1速に送り込みスタートした、と思って欲しい。まずは足慣らしを兼ねて普通のスピードで走ると、やっぱり足はハード目。セダンというより、スポーツカーに近い雰囲気である。

 徐々にアクセルを深く踏んで行くと、驚いたことに旧型とはまったく違うエンジンと思えるほど元気! 車重が90s軽くなったのに加え、エンジン自体もリファインしたのだろう。トヨタはどうやら本気で4ドアのスポーツカーを作ろうとした様子。となれば本気で攻めるしかない!いつものワインディングロードに入るや、アクセル全開だ! すると速いのなんのって! スープラやソアラよりはずっと素直で、もしかするとRX−7に匹敵するくらいのレベルといってよろしい。
 特に感心したのは足回りの剛性感だ。010のグリップは非常に強力だから、ハンパな足だとコントロール性はメロメロになってしまう。しかしツアラーVはしっかり路面からのレスポンスを伝えてくるのだ。スポーツカーより乗り心地を重視しなくちゃなならないセダンとしては、かなり高い評価としたい。しかもフルパワーを掛けても、旧型みたいに横に逃げることはなくなった。ややテールを流しつつも、キチンと前に進む。こいつは本気になったらけっこう速いぞ! ただテール流れた時のコントロール性イマイチ。トヨタ製FRに共通する特性だ。
 次に乗ったATも印象は同じであった。ややアクセルレスポンスが悪くなるために細かいスロットルワークは受け付けないものの、上手にライン取りをすれば写真みたいに豪快な走りも可能。ちなみにマニュアルはトルセンLSDが標準。ATはオプションとなるが、走りを楽しみたいなら絶対に付けることをすすめる。
 ツアラーSは今回から新設されたNA2500tのスポーティグレード。ローレルのクラブSみたいに「走りを重視しました」的な味付けになっていた。ハンドリングはキッチリとハードで、コーナリングスピードは充分速い。スポーティな走りを楽しみたいオジサンにはピッタシかもしれない。