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 bBその2

 bB、爆発的と言ってもよいくらいの売れ行きを見せている。発売以来1ヶ月で2万台以上受注あったそうな。果たしてそんなにイイ仕上がりなんだろうか? 結論から先に書いてしまうと「クルマとしての仕上がりはナカナカのもの」となる。以下、どんな乗り味を持っているのか紹介したい。最初にハンドル握ったのは、売れ筋となっている1500ccの『Z・Xバージョン』。ドア開けてシートに座ると、予想外にホールド性ある。見た感じS−MX風で、限りなくフラットなイメージながら、中央部が凹んでて調子良い。シートそのもの堅さも適度。トヨタ車のシートの中じゃベスト3に入ると思う。
 コーナーを攻めてみたが、スポーティシートに匹敵するくらい左右方向の安定性ある。S−MXのシート、コーナーの度にお尻ズレるから、けっこう大変なのだ。コラムタイプのシトレバーも操作性良い。改めて室内をチェックしてみたら、至る所でマジメな作りに出会う。若いお兄ちゃん向けの底浅いクルマかと思ったらアカン。割と気合い入っていたりして。個人的に気に入ったのはリアシートの広さ&座り心地。兄弟関係であるファンカーゴのリアシートも広いけど、シートそのものが安っぽい。クッション薄く、シートのサイズ小さめ。どちらかといえば女性や子供といった小柄なヒトを意識してる。bBのリアシートは、大柄な男性も楽に座れた。



 スタートといこう。Dレンジをセレクトしアクセル踏むと、予想外に軽快。1040kgのボディに1500cc110馬力のエンジンを積む。それでいてカローラやシビックの1500ccよりボディ軽いのだから当然か? 動力性能は全然不満ない。高速道路も走ってみたが、追い越し車線の流れに乗って走ることさえ楽々ちんちん。ステップワゴンやセレナのような2リッタークラスのミニバンよりパワフルに走るほど。ファンカーゴにも言えるコトだが、中低回転域でのトルク太く回転フィールもスムース。強いて弱点を上げるとすれば、高回転域で高まる騒音くらい。これまたマジメなエンジンである。
 ハンドリングは「ヤンチャ」と表現しておく。このバアイ、ヤンチャ=ジャジャ馬ということでない。硬めの乗り心地をイメージしてもらえばよかろう。いや、こう書くとピョコピョコするキャパやキューブと同じに感じちゃうか……。ピョコピョコせず硬いのだ。スポーツサスを入れたクルマに最も近いと思う。トヨタの技術者に聞くと、実際ハードな設定らしい。コーナーを攻めてみたら、ステアリングレスポンスもスポーティモデル並でけっこう面白い。限界特性はキチンと抑えており、テール流れるまで攻めたってコントロール出来る。最近のトヨタ車、少しずつ仕上がりレベルが上がったと思う。

 ブレーキのタッチや、ステアリングフィール、ATの変速ショックといった、いわゆる「クルマの評価」も非常に高い。bBは1年半くらいしか開発期間を掛けてないと言われるが、そんな安っぽさ全くないのだ。エンジンやミッションをファンカーゴと共用してるので、割と楽なのかもしれないが……。あれれ、と感じたのが回転半径。bBは17インチホイール履かせても大丈夫なように、ハンドルの切れ角を減らしている。したがって一杯に切っても、期待値より大回りになってしまう。これならUターン出来るだろう、と思ってハンドル切ったら切り返しだよ。やれやれ。ちなみに回転半径5,5mとセルシオ並み。慣れれば気にならないか?
 1300ccにも乗ってみた。軽自動車からアップグレードしてくるユーザーであれば、これで全然大丈夫。むしろ660ccターボの軽自動車より元気に走ってくれる。カタログ上のパワーは88馬力しかないけれど、低中速回転域でのトルク太い。高速道路で追い越し車線に居座ろうとすれば物足りないが、それだって軽自動車のターボよりイケてると思う。ここで考えた。bBは軽自動車からの乗り換えユーザーにとって理想的だな、と。ワンプライスの販売方法も、値引き極めて少ない軽自動車を買ったヒトなら気にならないでしょう。その1300cc、価格は129万9千円で、これまた軽自動車とあまり変わらないし。

 bBについて説明することは数少ないように思う。というのもコンセプトがあまりに明快だからだ。例えばアヴァンシアみたいなモデルだと「このクルマは新しい世代のセダンとして企画され……」と始めなくちゃ解りにくい。新しいコンセプト持ってたファンカーゴとかもそう。bBならどうだろ? もはや見た瞬間に理解出来るんじゃなかろうか。ただ、いわゆる「横乗り系」のヒト(スノボとかに代表される横向いて乗るスポーツの支持層。アメリカンとも重なる)って、与えられた”モノ”がイヤだから、新しいセンスで自分のスタイルを作って行くんだと思う。ステップワゴンとS−MX見れば、そいつぁ納得出来るんじゃなかろうか。ホンダは当初ステップワゴンを「ファミリーのためのミニバン」と位置づけた。そしてS−MXが「ヤンチャな若い世代のミニバン」である。
 宣伝見てもその通りで、ステップワゴンは「今度の日曜日、ドコ行こう」でファミリー層にアピール。S−MXが横乗り系を意識した展開だ。売れ行きはどうか? 最近のドレスアップカー見ると、ステップワゴンが激しく元気。いろんなパーツメーカーから多数のドレスアップキット出てるし、街中でも派手なステップワゴンをよく見かける。S−MXは? デビュー当初こそ元気に売れていたし話題になっていたけど、ここにきてイキオイを失いつつあるように思う。ローダウンバージョン出しても食いつかない。



 横乗り派のヒトは世の中に逆らうのが面白いワケ。100歩譲って、流行したなら、その中でも頂点狙いたくなるタイプのヒトだと思う。横乗り系だと、お金有ればエコノライン(フォードのフルサイズバン。V8エンジン積む長さ5,5m。幅2m以上のデカいバン)などムチャクチャにモディファイし、直系3フィート(90cm)くらいのバス装着するのが通ってもんだ。アストロとかでもいいぞ。最高に譲ったとしてステップワゴンあたり。S−MXになると中坊がガッコの便所でタバコ吸うくらいのレベルでしょうな。
 つまりbB買ってドレスアップしたら、みんなから「スゲエ!」と評価してもらえるかどうか、ということです。ワタシはファンカーゴなら意外性あってイイと思う。標準装着タイヤ14インチのファンカーゴに17インチくらい履かせると、相当気合い入って見える。こないだ見たファンカーゴ、イケてたなぁ。17インチとなると簡単にゃ入らないので、ホントに気合い必要。デカいスピーカー積んでもいいし、派手にドレスアップしてもよかろう。ノーマルと全然違うクルマになっちゃうから。bBでドレスアップするとなればどうか?

 もうね、17インチは最初から想定したサイズ。ノーマルのまんま、215/45R17だったら入るようになってる。こうなると17インチじゃアカン。最低で18インチ。気合い見せようとすれば19インチくらい行きたいぞ! 19インチになると簡単に装着出来ず、加えてホイール&タイヤセットも高い。ワタシはbBに19インチ履いてるヤツ見たら、素直に感心してしまう。17インチだと「あ、そう」。ドレスアップメーカーだって19インチを目指すと思う。エクステリア関係だって、多少のドレスアップだと全然目立たないくらいノーマルで味濃い。
 さらに「絶対的に小さい」というのもどういうもんだろ。全長4mを切り、幅1690mm。それで157万8千円する。扱いはネッツ店なので基本的にワンプライス。値引きゼロってこった。ステップワゴンは185万8千円するけど、値引き35万円は堅いから150万円とbBよっか安い。キミならどうする? ワタシなら全長4,6mあって堂々と見えるボディサイズのステップワゴン買います。ここらで言いたいこと書く。bB見ると「ホントはマジメなヤツが精一杯ワルぶってる」としか思えないのだ。

 このクルマ「トヨタは若い世代からの支持が低いから何とかせい!」という首脳陣の要求に応えて企画したそうな。よってトヨタは「猛烈に思い切ったクルマ作った」つもりになっている。実際のお客さん、そんなに単純でないと思う。女性仕様車が売れないのと同じ理由で、あまりにも狙いを絞ったクルマって魅力無いのだ。だったらbBは売れないかとなれば、そうでもない。宣伝方法さえ前違えなければ、狙った層と全然違うヒトから評価されるだろう。そいつぁどんな人達か? ワタシは45歳以上のお父サンと30歳以下の女性あたりを考えている。
 若い女性とbBはとっても合う。普通の女性が地味なファミリカー乗ってると何だか元気なく見えてしまうけど、bBならイメージまで変わるだろう。凄くアクティブなヒトに感じるのだ。実際、普通の女性がbB買ったら、何だかスノボに行ったりボディボードしに行ったりするようになるかもしれぬ。生活まで変わるってことだ。お父サンもbBのハンドル握ることによってパワー復活の気配。お父サン世代にとっちゃ、bBで十分に冒険だし目立つ。燃費よく、乗りやすいサイズなのも若い女性とお父サン向き。

 おっと。クルマの紹介を忘れてた。シャシはファンカーゴと同じくヴィッツから派生したもので、1,3リッターと1,5リッターというエンジンラインナップ。ブレーキやサスペンション、性能、燃費は、ほぼ同じ車重のファンカーゴレベルだと思っていい。ファンカーゴと違ってラゲッジスペース最優先じゃないため「猛烈にラゲッジルーム広い」ということはない。いや、ミニミニバンとして考えると標準的か。ファンカーゴが広すぎるのだ。リアシートの居住性は良好。大人4人で長距離ドライブして苦にならない空間を持っている。実用性という点で評価すれば、非常に優れていると思う。
 グレードは1,3リッター/1,5リッターに、ベーシックモデル&アルミホイールとエアロキット標準のXバージョンが用意される。価格はそれぞれ11万円/12万円高。アフターマーケットのアルミやエアロキット買うより安く付くので、少し元気っぽくいきたいならXバージョンをどうぞ。でも本格的にモディファイしようと考えているヒトは、ベーシックモデル買って、思い切り派手なアフターマーケットのパーツを組むべき。アルミホイールも最低で17インチくらいを考えよう。ワタシなら思いっきりヤッてしまいたくなります。