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2月13日

カムリ試乗レポート

スタイル、インテリアの評価は?

(外からカムリを眺めて)

国:なんかすんなりとは受け入れにくいスタイルだと思うんだけど。

永:昨年11月に出たベルタの兄貴分みたい感じですね。もしかしてトヨタもファミリーフェイスになるんでしょうか?

国:そうみたいだよ。今年出る次期型カローラもこんな感じらしい。

永:昔の金太郎飴作戦みたいですね。

国:似たデザインは当たればいいけど、外れたらみんなダメというリスクがある。今後どう仕上げてくるか注目だね。

賛否両論ありそうな顔付き (写真使われてるグレードは全てG。)

永:インテリアについてはどう評価されますか? 私の印象は「マツダ車に似た雰囲気があるな」というものなんですが。

国:ちょっと子供っぽいデザインだと思う。ナビやエアコンのスイッチが“スケルトン調”になっているの、良くないのかも。例えるなら高校生向けに4万円くらいで売っているコンポって感じ。

永:カムリの車格にはふさわしくないですよね。

国:インテリアの仕上げもイマイチかな。なんかボコボコした感じで、品質に不満を覚える。これもしかしてアメリカ生産?

永:いえ、日本の堤工場生産です。

国:初期生産車だからかなぁ? NSXみたいな少量生産車ならともかく、ある程度の数を作る日本車でこういうケースは珍しい。

永:しかもクオリティに定評あるトヨタ車では異例のことだと思います。

国:輸出がメインのクルマだからかもしれないね。

インテリア、みなさんどう評価されますか?

カムリの走りはいかに?

永:1台目の試乗車はG“リミテッドエディション”です。

国:スタートの時に“飛び出し感”がある。何か理由があってこうしたのかな。

永:これではストップ&ゴーの多い街中で嫌になってしまいますね。

国:ワタシは辛抱たまらん。あとアイドル振動を感じる。しかもその振動はステアリングに来るんじゃなくて、シートとかフロアに伝わってくる感じ。

永:「エアクリーナーボックスの固定方法を工夫して振動を逃がすように工夫している」と聞いているのですが・・・。エンジンそのものはいかがでしょうか?

エアクリーナーボックスに注目!弱く固定することで振動を逃がしてるそうです。

国:この2.4リッターエンジン、新型エスティマやRAV4にも使われているエンジンだけど、かなり良くなってる。低速トルクがたっぷりとしていて乗りやすいし、高回転までスムースに回っていいエンジンだよ。面白みは感じないけどね。

永:ホンダのオデッセィやアコードに載っている標準タイプの2.4リッターエンジンとよく似たフィーリングですね。

熟成が重ねられた2AZエンジン

国:これ、普通のオートマなんだね。同じエンジンのエスティマはCVTなのに、なぜかしら?

永:いろいろ理由がありそうですね。

国:戻ったら聞いてみよう。

永:市街地での試乗なので、クルマの走りがよく分かりませんね。

国:一度戻って、試乗車に空きがあったらもう1枠乗せてもらおう。

(幸いもう1台乗れた。2台目はベーシックグレードのG。高速道路を中心に試乗した)

国:あれ、こっちはさっきのクルマみたいな飛び出し感が薄いね。

永:個体差ですかね?

国:よく分からん。

永:高速道路に入りました。師匠、助手席での印象はいかがでしょうか?

国:静かだし快適だよ。苦しゅうないね。でも乗り心地が・・・。

永:どうなんですか?

国:悪くはないんだけど「こりゃいい」とも言えないんだよね。具体的に言うと、当たりは柔らかめでいいんだけど収まりが良くない。

永:それって先月乗ったブルーバード・シルフィにそっくりですね。

国:そういえばそうだね。ダンパーのメーカーどこかしら?

永:KYBだそうです。

国:「やっぱり」って感じだね。カムリもダンパー換えたら劇的に良くなりそう。ホントにダンパーのせいでこうなっちゃうのはもったいないよ。

(途中にあった上り、下り共用のパーキングで運転交代)

永:ハンドリングはどうでしょうか?

国:さすがは世界で年間50万台以上売れるクルマだよ。シャーシの出来はいいね。限界レベルだって高いし、アンダーとオーバーの出方もマイルドで扱いやすい。

永:シャーシは旧型カムリをベースにしているそうです。でも全幅が広がったことでトレッドも拡大されているので、サスペンションは新設計です。

さすが世界戦略車! と思わせる素性の良さを感じます

国:だけどハンドリングに関しても、インテリアやアクセルの“飛び出し感”に通じる「詰めの甘さ」があるね。

永:具体的にどんなことでしょうか。

国:ステアリングの据わりっていうか、センター付近の落ち着きがないんだよね。落ち着いていないと真っ直ぐ走るときの疲労が増えたりしちゃう(細かいステアリング修正が必要になるため)。地味かもしれないけど、結構大きな問題だよ。

永:日本仕様と北米仕様は同じセッティングと聞いています。アメリカのフリーウェイをゆったりと流すのに適したセッティングなんでしょうか。

国:そうかもしれないね。

試乗後の意見交換から

 試乗後には恒例の意見交換が行われた。最初に話を聞かせてくれたのはデザイン担当の堵畑(かきはた)さん。まず「 “スケルトン”調のインテリアにはどういう意図があるか?」を伺ってみると「これは日本をイメージした意匠なんです」。国沢師匠は「確かに外国人が見ると日本的に感じてくれそうですが、日本でカムリを買うようなユーザーから見たら子供っぽく感じると思います」との意見。日本市場ではユーザーからどう評価を受けるか? 気になる点である。

 途中からチーフエンジニアの布施氏も同席された。まず布施氏は「世界中でカムリは年間50万台販売されますが、日本では約1万台です。世界的に見れば日本での販売台数は少ないですが、でも4WD設定があるのは日本だけなんです。日本仕様もキチンと作っています」と日本仕様にかける思いを強調。国沢師匠が試乗中話題に出たCVTの件について聞くと「アクセル操作にリンクしないフィーリングがカムリには向かないのと、走行距離の極端に多いアメリカでは耐久性に不安があるのでATを採用しました」とのこと。CVTについての話題のあと国沢師匠からカムリというクルマの在り方について「カムリは日本よりも海外で売れるクルマ。だからアメリカ仕様には日本へ導入されないハイブリッド仕様があるのかもしれない。けれどもカムリは日本国籍のクルマ。だから例えばアメリカのハイブリッド仕様をもっと燃費向上に振ったセッティングにして日本で売ったりするとか“世界で一番進んだカムリ”を日本で販売するといいのではないでしょうか」。これに対して布施氏も「カムリを日本でどう育てていくか? というテーマは今後の大事な課題だと思います」。

 輸出が中心となっているクルマだけに「日本でのカムリの将来」を考えるのはなかなか難しいことのようだ。

帰りのクルマの中で

永:カムリのライバル車をトヨタはティアナあたりと想定しているそうです。師匠だったらどちらを買われますか?

国:どちらも積極的に欲しいとは思わないけど、あえて買うならティアナかな。理由は値段が安いのとインテリアがいいこと、そしてV6エンジンということかな。

永:そうですか。これって言い換えればカムリの個性が薄いということですよね。

国:そう。でも輸出先では日本でいうカローラみたいな位置付けのカムリだから、これでいいんでしょう。アメリカでは成功すると思う。ハイブリッドもあるし。

永:なるほど。

まとめ

 今回で8代目となる新型カムリは「よく出来ているんだけど個性が薄いというタイプのクルマだと思った。それからインテリアの仕上がりやアクセルの操作性に代表される「詰めの甘さ」を感じた。対談の中にもあったけれど、輸出先ではいいとしても、クルマへのこだわりが強い日本では埋もれてしまうのではないだろうか。

 ではそれを防ぐにはどうしたらいいのだろうか。国沢師匠は北米で販売されるハイブリッド仕様を日本にも導入すればいいと提案しておられた。私もその提案に賛成である。仮に300万円くらいの価格でカムリハイブリッドがあったら「アッパーミドルセダンで唯一のハイブリッド」ということで案外売れるのではないだろうか? いっそ日本はハイブリッドのみという販売体系でもいいと思う。クルマの大筋ではいいものを持っているのだから。


レポート/永田恵一