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3月26日

新型エスティマは「できすぎ君」?(どらえもん)

新:師匠、大人気のエスティマがモデルチェンジです

国:いやー、かなり話題になってるねぇ。ではさっそく試乗といこうか。

新:まずは「3,5G 4WD 7人乗り」です。

国:俺は昨日も乗ったんだけどね。いやー、いいクルマだよ。

新:そうですね。やはり注目は280馬力を発する3,5リッターエンジンなんですけど、かなりスムーズだし、パワーもあります。トルクも低速からしっかり出ていて、280馬力を達成するために犠牲となっている感じもしないです。

国:だよなー。動力性能ではどのミニバンも勝てないよ。それにハンドリングもいい。ロールは少ないし、回頭性も抜群。VSCもある程度滑らせないと作動しないし……。コーナーリングスピードなんて、ミニバンとは思えない。

新:確かに。乗り心地も先代に比べると固めな感じがしますが、固めというよりはむしろシャッキリしたという感じです。

国:カヤバのダンパーなんだけど、乗り心地に関しては良くまとまっているよ。

新:若干ロードノイズが気になるのですけど、これはタイヤの問題っぽいですね。

国:そうだね。タイヤを替えたらもう少し静かになると思う。

新:まぁそこまで気になるレベルではありませんが……。

国:本当に悪いところなんかどこにもないよなぁ。80点主義どころか95点主義くらいになってる。

いいクルマだよ、エスティマ!

新:しかしとにもかくにも速いッスね。停止状態から一気にアクセル踏み込むと、軽くホイールスピンします。ここまでのパワーが必要なのかは疑問ですけど、でもパワーはあって困るものでもないですからね。そんなにパワーを必要としないなら2,4リッターエンジンの方をチョイスすればいいわけだし。

国:ただな、内装の質感は一見すると高そうなんだけど、たとえば木目調のパネルなんて、軽く叩くと甲高い音がして中身カラッポな感じだよね。見た目の高級さは維持しつつも、しっかりコストカットしているわけだ。

新:なるほど。今回はレーンキープアシストというオプションが装着されているんですが、これ、あんまり大きく介入しませんね。

国:あくまでも「アシスト」であって、やはりクルマがレーンをキープしてくれるわけではない。ハンドルに手を添えていることが必要なんだよね。

新:安全性を考えると、もう少し強く介入、というかレーンをキープするべく自動操作してくれてもいいと思うんですけど……。

国:その通り! 車線逸脱は本当に危ないから、キッチリ効くようにして欲しい。国交省と色々あるようだけれど、人間の命に関わることなんだからぜひともしっかり作動させるべきだよ。それは自動ブレーキシステムについても言えること。技術的には可能なことなんだから。

新:ふーむ、なかなか難しいんですね。

国:ヨシ。ちょっと停まって、シートアレンジを色々試してみよう。

新:まずは3列目シートを床下収納して、2列目シートを一番後ろまで下げてみましょう。

国:おぉー。こりゃ広いね! 足を目一杯伸ばしても、フロントシートに届かないくらいだよ。

快適〜! こりゃタマラン!

新:この仕組み、もっと以前から採用されていたっておかしくないと思うのですけど、何で他社とかは採用しなかったんでしょうね。

国:ん〜、何でだろうね。しかしなぁ、これだとまず間違いなく寝ちゃう。同乗者には広くて喜んでもらえるからいいんだけど、ドライバーにとっては同乗者に寝られると寂しいよな。

新:そうですね(笑)。ただ僕は、3列目シートを出した状態で2列目シートを最後端にしても十分な広さだと思います。

国:そう? 俺はこの広さ嬉しいけどな。

新:他にも2列目シートは7人乗りの場合、左右にスライドするんですよね。シート間の隙間を調節できちゃうわけです。まぁ本来は隙間を調節するというより、3列目へのアクセスを容易にしたりするためのものなんだろうけど、隣が男だったら隙間を多くして、女の子だったら隙間を小さくして、なんてやっちゃいそうですね(笑)。

姫君との距離が……。

こうしちゃえば。フッフッフ!

国:これ、値段いくら?

新:車両本体価格は365万4000円ですけど、電動スライドドアやパーキングアシスト、レーンキープアシストやナビなんかのオプションを含めると、総額528万2970円と書いてあります。

国:500万以上か。絶対的には高いかもしれないけれど、まぁ内容を考えると妥当かな。

新:ぜひとも欲しい快適装備はほとんどオプション扱いですからね。どうしても高くなっちゃいます。そうなると売れ筋はやはり2,4リッターですかね。

国:じゃ、2,4リッターに試乗しよう。

「音」だけが課題。2,4リッター車

新:やはり運転すると3,5リッターとパワーの違いを感じますね。

国:そりゃ当たり前だよ。

新:でも低速トルクはしっかりあるから、大きな不満はありませんね。不満が出るとすれば、フル乗車で坂道を登る時くらいでしょうか。

国:ただ、回すとちょっとうるさいな。

新:そうですね。

国:回して音が高まるのは仕方ないんだけど、問題は音質。もう少し澄んだ音だと気持ちいいのに……。

新:なんか低くて濁った感じの音ですね。音に軽快感がありません。もう少し軽快感のある音だったら回しても気持ちいいし、回す機会が多くても気にならないのに……。それにしても不思議なのは、3,5リッターモデルより乗り心地悪いこと。ヒョコヒョコしてる感じです。

国:V6搭載車より車体が軽くて、相対的にバネ下重量が大きくなっているからヒョコヒョコするのかもね。

新:でもハンドリングはV6モデルより軽快感強いですね。ノーズの軽さが効いています。

国:うん。スッスッと曲がってくれるね。

新:エスティマって先代もそうでしたが、やはり見切り悪いですね。狭いところでは、無駄に気を使います。特に室内は開放感があるだけに、車体も大きく感じるし。バックする時もリアウィンドウがはるか彼方(笑)。

国:お! 新美、気を付けろよ。ねずみ捕りやってるゾ!

新:あ、本当だ何台か捕まってますね。ま、僕らは制限速度遵守なので関係ないですけど(笑)。

国:こんな寒い日に大変だねー。

新:さっきから白バイもたくさん見かけますし、特別警戒でもしてるんですかね。

速度チェック! もうちょっと分かりやすい場所にいてよ……。

止められた時はもう手遅れ。僕らは制限速度厳守なので問題ナシ!

 なんてことをやっているうちに試乗終了。試乗後、エンジン開発担当者の方から話を聞くことができました。師匠も僕も驚いたのがエンジンの耐久性。多くの人は「10万km超えたらそろそろダメ」と考えているでようけれど、実際にはそんなこと全くないそう。ではどのくらいなのかというと「30万kmは余裕です」。さ、30万km!? これはスゴイですが、しかしガンガン回す場合はそんなにもたないでしょう。と思っていたら「いや、最高出力発生回転数で実験していますから、どれだけ回しても30万kmは大丈夫だと思います」だって。ふーむ、師匠共々、認識を改めさせられました。

 他にもエンジンについて話を聞くと「V6エンジンはレクサスのものと似ていますが、インジェクターのヘッドに違いがあります。レクサスの方は直噴も備えており、ポート噴射のインジェクションと筒内噴射のインジェクションの2種類を備えているんです。それに対しエスティマのV6はポート噴射のインジェクションのみです」。なるほどそれで馬力差があるわけですか。ただ、馬力差に関して「このV6はハリアーにも搭載されましたが、馬力は正直いってまだまだ出せます。馬力を上げる方法なんていくらでもあるんです。むしろ欲しいのはトルク。それから、エスティマというクルマの性格を考えると、馬力はそこまで必要ないとも思っています」。

 そうですね、ミニバンならやはり低速トルクを分厚くしてほしいですもんね。もっともでございます。ちなみにエンジンにとって一番酷なのは、冷間時の高負荷。エンジンが十分に暖まっていない内に高回転まで回してしまうことです。今の季節、朝なんてエンジン冷え冷えだし、朝という時刻は急いでいるためすぐに高回転まで引っ張ってしまう人も少なくないはず。確かに急ぐのも分かるのですが(寒い朝は布団から出づらく、結果ギリギリに出発ということになってしまう)、でもできるだけ余裕を持って始動直後は優しく扱ってあげましょう。

アーシングもやってます。一時期効果の有無が話題になりましたが、効果はあるみたいです。

 さて、最後に問題となったのがエンジンの「音質」。2,4リッターの方で師匠は「音質悪い」と指摘しておられましたが、「音質」のチューニングは最も難しいそう。曰く「思い切って言っちゃいますが、音質に関しては出来上がってからしか分からない部分が大きいんです」。そう考えると、逆に見事な音色を奏でるエンジンを生産しているメーカーはスゴイということですね。色々と難しいかもしれませんが、2,4リッターエンジンの音質はできれば改善して欲しいと思います。3,5リッターよりも高回転を使う機会が多いはずですから。

ルーフを浮かせて見せるようデザインされたサイド。浮いて見えます?

 新型エスティマ。正直言って特に悪いところは見当たらないクルマです。運転してもそれなりに楽しめるし、多人数で快適に移動することだってできる。買って後悔することはないでしょう。後はもうデザインを気に入るかってことですかね。師匠曰く「フランス車っぽい」とのことですが、皆さんはどう思われますか? 僕は先代の尖った感じが好きでした。購入を考えている方、予算に余裕があればぜひともV6モデルをオススメします。やはり多くの面でメリットを感じられるはず。ただ、2,4リッターでも不満ナシ。グレードは「G」がいいと思います。「アエラス」の18インチ(Sパッケージ)は若干固めの乗り心地です。

レポート/新美瑛生