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フィールダー
前置きは後にして、まずフィールダー最強バージョンである『Z』(1800cc190馬力)の試乗レポートといきましょう。試乗車は6速マニュアル。案外軽いクラッチを踏み込んで1速にシフト。クラッチミートする。するとどうだ!高い回転数でクラッチ繋がった割にアクセル開土少なかったから、ギクシャクしちゃいました。MR−Sやセリカなど最近のトヨタ製マニュアルミッションに共通するクラッチの操作感。少しミートポイントが狭い。おそらく皆さん最初は違和感あると思う。
まぁいい。スタートしてアクセル床まで踏み込むと、さすが速い速い! なんせ車重1170kgの軽いボディに190馬力。パワーウエイトレシオ6,16kg/psはダテでなく(アルテッツァRS200が6,48kg/ps)1速と2速なんぞイッキに8200回転から始まるレッドゾーンに飛び込む。そこらのスポーティモデル顔負けの動力性能だ。回転フィールもトヨタ製スポーツエンジンの中じゃまぁまぁ良い部類。これでエンジン音良かったら、もっと楽しいだろうに。
ワインディングロードをハイペースで走るくらいなら、ハンドリングも良好だ。ロール抑えてあるから、ハンドル切ると軽快に曲がって楽しい。いわゆる「スポーティモデル」の走り。アクセルレスポンスやブレーキタッチまでいいから、おそらく他の雑誌のレポート読むとベタ誉め状態だと思う。ワタシも「普通のペースで走れば」という前提で評価するのであれば、賛同します。しかし、である。限界が近づくと、不満も多くなってきちゃう。以下、しっかり書く。
一番のモンダイは、コーナーで外側輪に荷重掛かりすぎること。ハンドル切りながらアクセル踏んだ、と思って欲しい。理想を言えばインテグラのタイプRのごとく左右輪に駆動力掛かり、曲がりながら加速したい。フィールダーだとどうか?コーナーで横G掛かると、外側輪だけ踏ん張る。この状態でアクセル踏むと、荷重掛かっていない内側輪は簡単にホイールスピンしちゃうのだ。おそらくロール剛性高く、ロールセンターも高いんだろう。もっとアクセル踏むと、どわ〜っとアンダー出る。
意外なことにスポーツエンジン積んでるにも関わらずフロントLSDが設定されていない。せめてヘリカルLSDでも装備すれば、ずいぶん回答性よくなるのに。ちなみにロール剛性上げたりロールセンター下げたりするシャシ設計って、もう10年以上前の流行。最近のホンダ車など見ると、重心下げてロールセンター高く取り、バネやスタビも柔らかいタイプを使う。スバルも同じ。とにかく限界近い横G掛けた状態でのアクセルオンは、キモチ良くない。
リアも同じ。コチラはアクセルを戻し、タックインを仕掛けた時に弱点見える。限界まで外側輪だけで踏ん張っているため(限界そのものはけっこう高い)、流れ出すと突如ど〜っと流れ出す。しかも流れ出すと止まりにくいのだ。リアサスの横剛性は低い。といった具合で、あるレベル以上のテクニックを持ったドライバーなら、190馬力の『Z』に乗るとガックリするだろう。いわゆる「直線番長」的な味付け。とりあえずトヨタ車で速いステーションワゴン欲しければどうぞ!
2台目は1500ccの4WD。走り始めると、これが賑やかなエンジン音だったりして。もちろんホメているのでない。どうやら1200kgと軽くない車重に対し、エンジンパワー少ないせいなんだろう。加速する際、ついついアクセルを大きく踏み込むこととなり、結果として騒音レベルも上がる。1名乗車でこれだけ”賑やか”なエンジン音だから、ステーションワゴンに多いフル乗車だと相当厳しいかもしれない。トヨタもそのあたりは認識しているらしく「少し賑やかですね」というと「そうかもしれません」。
車外から入ってくる騒音(おそらくタイヤノイズ)も気になった。車外騒音は1500ccの4WDにだけ出ている現象らしく、これまたトヨタも気にしている。ただ完全に止めようとすると、さらなる車重増を招くのだそうだ。もし1500ccの4WD購入予定があるなら、ディーラーで試乗させてもらおう。低めの動力性能と騒音が気にならないと思えばOK。4WD買うのなら、10万円出すと1800cc136馬力に手が届く。コッチなら低速トルク太いので騒音も有利。
フィールダーに限らず1500ccの4WDは、インプレッサやおそらくシビックも性能と騒音で厳しいに違いない。基本的にクルマ好き以外のユーザーが買う生活ヨンクというジャンルだと割り切ろう。クルマ好きなら、少なくとも1700cc以上のエンジン積んだモデルを選ぶべきだと思う。参考までに書いておくと、4WDに限ったことでないけれどワイパーブレード短すぎる。フロントガラスの拭き残しが目立つのだ。運転席側はあと2cmくらい長くてもいい。
と、続けて2台フィールダーのハンドル握ってガックリ。こんなモンなのかい? と思いながらベーシックグレードである1500ccのFFに乗る。すると案外調子いい。4WDであれほど賑やかだったエンジンが、全く気にならないレベル。こら100kg軽いだけでなく、エンジンマウントや駆動系も違うためだと思う。横置きFFベースで4WD作ろうとすると、エンジンの回転方向変えてドライブシャフトを駆動しなければならないなど、無理が多いのだ。
また、FFだとエンジンマウントなどで完全に車体から浮かすこと可能なエンジン+駆動系も、4WDだと接合点増えて車体に振動を使えてしまうのかもしれない。とにかくFFの方が500倍くらい良い仕上がりだ。驚いたことにアイドリング時のエンジン音まで低く、4WDから乗り換えるとエンストしたんじゃないかと心配になるほど。言うまでもなく動力性能的には満足出来ない。軽いといっても1100kg。フル乗車を考えると、もっと馬力欲しいところ。
これまた10万円高で1800ccに手が届く。これまでのトヨタ流だと1500ccと1800ccの価格差は20万円前後あった。フィールダーだけ極端に価格差が少ない。こうなると1500ccより1800ccでしょう! 300cc増えたって年間の自動車税が5千円高くなるだけ。実用燃費は若干落ちるだろうけど、それだって動力性能を考えると納得出来るレベルだろう。書き忘れたが、1500ccは燃費自慢。100kmの高速巡航なら、リッターあたり15〜17kmくらい走るそうな。シビックとの勝負が楽しみ。
インテリアはどうだろう? チマタじゃ「インテリアの質感が高い」と評判らしい。でも黒塗装のセンターコンソールなど、コインや指輪といった硬いモノで擦ればすぐキズ付く。サイドブレーキ横の樹脂製小物入れや、ポケット&フタ類の樹脂部品の質感も「いけません」。いくらコストダウンが命題といったって、やりすぎだと思う。シビックの質感と比べても押され気味。少なくとも「高級感ある」とはならんです。
<RVマガジンに掲載された記事>
「こりゃ今までのカローラ・ツーリングワゴンとは全然違うね!」と、フィールダーの売れ筋になりそうな『1500X』のハンドル握って思った。動き出した瞬間からボディのガッシリ感が解るのだ。残念ながら数値などじゃ表現できないから上手に伝えることも出来ないけれど、最も近い乗り物は電車か? 電車のボディって極めて強固で、線路から伝わる振動は皆無に近い(古い電車だとそうでもないけど)。ちなみにボディ剛性低い乗り物の代表はバスです。凸凹道走ると、いろんなブブンがワナワナしてキモチ悪い。剛性感を『高級感』や『快適性』と置き換えてよかろう。
動力性能は、空荷の1名乗車なら1500ccのFFでちょうどいい具合。100kg車重増える4WDだとパワー不足を感じるし、ついついアクセル多く踏むためエンジン音が大きくなる。4人乗って高速道路走ると、けっこう厳しいと思う。もし10万円余分に出せるのであれば、1800cc136馬力のFFをプッシュしておく。フル乗車という使い方の多いステーションワゴンの場合、パワーに余裕あった方がいい。なぜかこのクラスのクルマを買うユーザーの多くは1500ccにこだわるようだけれど、年間の自動車税5千円、実用燃費で1km/リッターくらい負担が増える程度なのに。
ラゲッジスペースは「まぁまぁ」と評価しておく。このボディ、商用車バージョンが無い。したがって「ナニがナンでも広い荷室を確保しろ!」という使命も無かったんだろう。ライバル関係となるウイングロードなど比べると明らかに負け。でも個人的には全然不満無いレベルだと感じた。広くないといっても家族分のオートキャンプグッズや、スキー用具一式なら楽々積める。やや不満なのはトノカバーの質感。「ついてればいいでしょ!」的な形状や仕上がりで、予想外に安っぽかった。横棒とシートの間の”薄皮”が安直過ぎるんだと思う。
驚いたのがリアシートの居住性。カローラ時代のリアシート、もはや辛抱ならないくらい狭かった。レッグスペース無いため、大人がリアに座ると前席を前にスライドさせないと座れないのだ。フィールダーになって劇的に改善され、ストレス無く大人4人座って(リア中央席には3点式シートベルトが装備されないので4人とした)の長距離ドライブも出来る。シビックの5ドアほど広くはないけれど、身長180cm級でなければ満足するに違いない。リアシートはリクライニングし、上級グレードになるとセンターアームレストまで付く。
若干気になったのはインテリアの質感。カタログ写真で見る限りイタリア家具のような新しいイメージを持つ。しかしプラスティックパーツがけっこう安っぽく、センターコンソールの黒い塗装はコインや指輪など硬いモノで簡単にキズつく、しかも大いに目立つ。個人的には気になった。もしフィールダーの購入を考えているなら、ぜひ実車で確認して欲しい。気になる値引きは当初ワンプライス値引き無しと言われていたものの、今のところ一律5万円とか。お得意サンなら下取り車の査定増や、無料オプションも期待出来る。実質的に10万円くらいを目標にどうぞ。
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