クルーガーハイブリッド
新:いやー、ハイブリッド久しぶりです。昨年のハリアーハイブリッド・エコキャラバンが懐かしい……。あれから1年近く、ちょっとは成長しましたかね? (ドキドキ)
国:新美が成長したのはオデコだよ「オ・デ・コ」。
新:ガーン! 最近は頭頂部も……。日々精進します。
国:上の写真は永田の友人のお父さんのクルーガーハイブリッドなんだけれど、前に乗ったハリアーハイブリッドより良くなってる感じしない?
新:そうですね。以前ハリアーハイブリッド・エコキャラバン企画を行ったときに比べて、よりスムーズになっている気がします。回生ブレーキのフィーリングもかなり改善されていて、これならあまり不自然さを感じずにブレーキングできると思います。
国:俺は前からあんまり不自然さを感じなかったから回生ブレーキの改善は分からない。
新:クルーガーハイブリッドって内装にしろ、ボディの剛性感にしろ、乗り心地にしろ静粛性にしろ、やはりハリアーに劣りますね。
国:そうね。例えばメーターも電力の出力・回収を示すインジケーターがない。クルーズコントロールなんか設定そものから無し。
新:確かにハリアーくらい高級感あるクルマならハイブリッドは上質さが加わっていいと思います。プリウスだって未来性を感じさせるデザインでハイブリッドとマッチしているし(ハイブリッドが前提で作られたクルマだから当たり前か)。そう考えるとクルーガーにハイブリッドって似合ってない。いくら兄弟車種とは言っても、これじゃハイブリッドの安売りですよ。
値段からすると質感低いインパネ……。もうちょっとレベルを上げてぇ〜
国:アメリカだとクルーガーはトヨタブランド。ハリアーがレクサスブランド。販売価格にして150万円くらい違うから、あえて質感の差を出したって言ってた。
新:そうですね。なんか本当に「もったいない」感じがします。ただ、乗り心地は悪くありません。以前乗ったハリアーハイブリッドはスポーツサスペンションと18インチタイヤを装備していたこともあって、バネ下のバタつきが感じられました。それに比べれば落ち着いた乗り味でいいと思います。
国:新美はクルーガーハイブリッドの存在意義って何だと思う?
新:そうですねぇ。やはりデザイン的にクルーガーのほうが若さを主張していると思います。ハリアーよりアウトドア風で、ハリアーより荷物積めますしね。そう考えると「若さ・アウトドア」がハリアーにないポイントでしょうか。
国:でもさ、例えばクルーガーハイブリッドなんて値段も400万くらいしてとても若者じゃ買えない。若者らしさをアピールするなら、値段も若者に手の届く範囲にしないといけないと思うよ。
新:そうですねぇ。確かに400万円を出せる若者はそんなにいないと思います。
国:一体どういう人が買うんだろうなぁ。
新:分からないッスねぇ。アウトドアが好きな人でしょうか。ハリアーよりは泥の似合うデザインですし(笑)。
ハリアーは都会派、クルーガーはやっぱりアウトドア!
永:突然話に参加します。実は友人のお父さんが買ったというので一般道を40キロほど運転させてもらいました。写真も撮ってきました。
新:写真を撮り損ねてしまったんでありがたいです。
国:オーナーさんはどういう理由でクルーガーハイブリッド買ったんだって?
永:なんでも大きめのSUV、クロカン系の購入を考えていて「速いハイブリッド」という点に魅力を感じたようです。ハリアーにしなかったのは大きな荷物を運ぶことが多いからだそうです。
国:クルーガーらしい使い方だね。でどうだった?
永:広報車ではシフトのガチャガチャした感じとか商用車のように閉まるリアゲートなどに安っぽさを覚えたのですが、個人オーナー車はそういう感じはなかったですね。
国:生産時期の問題かな(広報車は昨年3月登録、オーナー車は今年3月登録)。
永:だからといって高級感はありませんが……。
新:400万円以上の値段には相応しくないですよね。
永:相当ひいき目に見て300万円レベルのクオリティでしょう。でもオーナーさん自身は結構満足しているみたいです。
国:どのへんに?
永:動力性能と燃費、つまりハイブリッドシナジードライブという点ですね。オーナーさん曰く「グーンと引っ張られるように加速する」とのことです。
国:確かにトヨタの主張通りカイエンのV8並みに速いよな。
パフォーマンスは高い。が、クルーガーに必要かは疑問です
永:私もやってみました。アクセルを全開すると確かに日産のVQエンジンみたいな結構いい音にモーター2つ分のアシストが入って「すごいな」と思うくらい速いです。でも3回くらいやると「だからなんなんだろう?」って思っちゃうんですよね。飽きてしまうというか。
国:ハイブリッド親方としては燃費も良くないと思うし。
永:燃費については人によってかなり感じ方が違うようです。オーナーさんの燃費データとして高速も使った長距離で13キロ前後というのがあります。この燃費で「燃費いい」と考えているようです。なぜかというと「3.3リッターもあってあんなに速いのに13キロも走る」という理由みたいです。
新:絶対的に燃費いいわけではないですけど、速さ対燃費で考えれば、確かにリッター13kmというのはいいと思います。
国:まあそういう考え方もあるわな。トヨタの狙い通りというか。
新:「ハイブリッドは遅いどころか速いんだ!」というイメージを作った功績はあると思いますけどね。
永:レクサス(=高級車。アメリカではレクサスで売っているハリアーも含む)だったら高級車にはイザというときの速さも必要ですからハリアーハイブリッド、GS450h、LS600hのようなハイパワーハイブリッドもいいでしょう。でも実用本位というか質実剛健のクルーガーには「これでよかったのか?」とも思います。
国:クルーガーには新型エスティマハイブリッドみたく2.4リッター+前後輪用のモーター2個のハイブリッドを使うべきだったんじゃないかな。それで300万円前後なら需要はありそうだけど。
新:なるほど。確かにハリアーはプレミアムを重視して動力性能に特化したハイブリッドを、クルーガーには実用性重視で燃費に特化したハイブリッドと性格分けすれば、もっと違いがはっきりしたし、もっと売れるのではないでしょうか。
永:あと乗って気になったのは電動パワステがシャッキリしないのと、舗装の荒れた道で40キロくらいから全開加速を試したらトルクステアみたくハンドル取られた点ですね。それと3列目シートは体育座りでしか座れないくらいの広さなので「不要」という人もいると思います。5人乗りも設定して欲しいですね。通常のクルーガーには5人乗りも多くのグレードに設定されているのですが。あといいところとして、真四角に近いせいか非常に運転しやすいことを加えておきます。
まとめ
やはり気になったのは質感。ベースのクルーガーは250万円くらいのグレードからラインナップされているモデルだけに、そこまで圧倒的なクォリティを求めるのは酷かとも思いますけど、しかしクルーガーハイブリッドとなると廉価バージョンでさえ399万円もする。やはりもう少し特別モデルというか、質感の高さを見せてほしかった。
さて、最近続くトヨタのハイブリッド攻勢ですが、デビューするのは「ハイパワーモデル」ばかり。ハイブリッドをターボみたいな動力性能補助装置として考え、圧倒的な動力性能を誇るモデルが多いように思います。もちろん、同じ動力性能を持つガソリン車と比べれば、格段に燃費はいいわけですが……。ハイブリッドは本来燃費を追求するものなのに、何でここまでハイパワーモデルばかりを投入してくるのか。僕はこのことについて「トヨタはハイブリッド=ハイパワーというイメージを作り上げようとしているのではないか」と考えます。初代プリウスは燃費性能こそ高かったものの、動力性能という点では不満があった。2代目プリウスでは大いに改善されたものの、初代プリウスを見て「ハイブリッドって非力だなぁ」と思った人も多いはず。実際トヨタも非力なイメージが先行してしまったと考えたのでしょう。
ハリアーハイブリッドを皮切りにハイブリッドのハイパワーモデルを投入し、非力なイメージからの脱却を試みていると思うのです。事実ハイブリッド=非力という考えは減っているはず。2代目プリウスで十分な動力性能をアピールし、レクサスGS450h、レクサスLS600hなどで圧倒的な動力性能を見せつけておけば、今後3代目プリウスやエスティマハイブリッドがデビューしたとき、「ハイブリッドならパワーもあるし、燃費もいいから」と考えて買いに来る人は増えると思います。ともあれハイブリッドはトヨタの独壇場になってしまった。トヨタにはもちろん感心してしまいますけど、他のメーカーも頑張ってライバルと成りえるモデルを作ってほしい。ライバルいてこそ技術の発展は大きくなると思うし、ユーザーとしても様々な性格を持ったハイブリッドモデルを選ぶことができるはずです。
レポート/新美瑛生&永田恵一
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