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セリカ 

<S14シルビアvsJZZ30セリカの巻>
 驚いたことに新しいシルビアとセリカは、非常によく似たスペックを持っている(以下数値は最初がシルビア。後セリカのもの>。全長は4500mm/4435mm。幅は1730mm/1750mmと、ほぼ同じといってもいいくらいだ。
 車重も、売れ筋となる同等の装備内容を持つ2リッターのベーシックグレード比較で1160kg/1150kgと、これまたいい勝負。さらに価格だって決定的な違いはないとくる。この2車はまさに好ライバルといってよろしい!
 一方、違うポイントは2つある。一つは駆動方式。シルビアはトラディショナルなFR。セリカはFFだ。もう一つはスタイル。これについては説明するまでもないと思う。そこでこのページでは主として駆動方式の違いについて考えてみたい。
 で、シルビアだ。このクルマのセールスポイントは『楽しいハンドリング』となる。こう書くと「スカイラインは全然面白くないじゃないの!シルビアはそんなにいいの?」と思う人もいるかもしれない。



 確かにスカイラインは走りを楽しもうとすると完全に×。特にアクティブLSD付きは×だ。なんでも3速とか4速全開のコーナーとかウエット路面での安定性を重視したとかで、2速のコーナーじゃ単なる大アンダーステアしか出ない。
 けっこう頭の軽いボクでさえ公道じゃ4速全開のコーナリングなんかしたくないし、雨の日にカッ飛ばそうとは思わないからぜ〜んぜん意味はない。よってスカイラインは単にアンダーステアのクルマなのだ。だいたいマークツーより遅いスカイラインなんてね!
 シルビアは違うみたい。ウワサでは旧型スカイラインGTS−tタイプMを、さらに強力&楽しくしたような走りをするという。つまり「これぞFR車の走り!」といったタイプなんだろう。
 具体的に説明しよう。コーナーでハンドルを切り込む。この時にまったくアンダーステアは出ず、素直に曲がり始める。そしてアクセルを踏めば、踏んだ分だけリアがパワースライドするようなセッティングなんだそうだ。
 しかもリアのスタビリティを落としたというのではなく、絶対的なコーナリングスピードも速い。ターボエンジンを搭載するK,sの筑波ラップは、スカイラインGTS−tタイプMを凌ぐのはもちろん、日産の開発陣は280馬力のマークツーより速いという自信を持っている。

 旧型より20馬力パワーアップしたNA2リッターのQ,sも、最速を掛けてMR−2とバトルを行うことになるだろう。いずれにしろシルビアの魅力は、FR車にしか出来ない楽しいハンドリングにあると思う。
 セリカはどうだろう?ベーシックグレードであるSS−1に搭載されるハイメカツインカムは旧型と同じ140馬力。SS−2は少々パワーアップして180馬力となったものの、依然としてパワー不足であることには違いない。特にSS−2は、もはやスポーティとはいえないレベルになってしまった。
 SS−2は少し元気ではあると思うけど、それにしたって220馬力のK,sにゃ負ける。しかもスーパーストラットを用意したとはいえ、FFだ。イギリスで行われてるツーリングカーレースのレギュレーションを見ると、FFもFRもエンジンの規定は同じ。違うのは車重で、FFは950kg。FRは1050kgとされる。
 つまり物理的に言えば100kg分もFRが有利なのだ。テストをするまで確実なことはいえないけど、160馬力のQ,sと180馬力のSS−2がいい勝負じゃなかろうか? さらに操る楽しさだってFFよりFRである。

 そういった点を総合して考えると、セリカの魅力は走りじゃなく2ドアスペシャルティカーとしての雰囲気。スタイルは人の好みによって意見が割れるからボクは結論を出さないけど、雰囲気はまるで違う。トラディショナルな美しさを持つシルビアに対し、セリカはモダン&アグレッシブ。
 ボクは圧倒的にシルビアを好むけど(実車と写真ではイメージが違うぞ!)、セリカを評価する人も多いのではないかと思う。これは実物を見て決めて欲しいが、きっと迷う人はいないと思う。駆動方式の差と合わせ、明確にシルビア派とセリカ派に分かれるだろう。
 じゃ「おまえはどうか?」と聞かれれば、即座に「シルビアでしょう」と答える。スペシャルティカーの魅力は走り。レースならFFもいいけど、楽しむなら絶対にFRしかない! ま、いずれにしろカッコよくて欲しいクルマであることは間違いない。ということでこの2車は狙いからして全然異なるワケだ。ユーザーだって迷わないと思う。 


 セリカの弱点は「あまり面白いとはいえないハンドリング」だ。180馬力エンジン搭載車にはスーパーストラットサスを採用してはみたけど、乗った人の話によれば「やっぱしFF。FFとしては非常に高いレベルなんだけど、180馬力をフルに使ったコーナリングが出来ないのは残念」となるようだ。
 ただしリアシートの居住性はシルビアより良い。FRということで前後のスペースがないのに加え、アメリカで施行される厳しい側面衝突基準を満たすためリアシート幅も狭い。カタログの乗員を見ても4人だ。

 セリカは2ドアクーペにしては広く、大人4人での移動もそれほど苦にならない(定員は5人)。そんなこともあってセリカは「限界の走りを楽しむ」というより「スポーティな雰囲気を楽しむ」という実用的なクルマといえる。
 グレードは二つ。140馬力を発生するハイメカツインカムを搭載するSS−1と、180馬力の”本物”ツインカムのSS−2。簡単に装備の違いを説明すると(エンジン以外)、SS−1はLSDとスーパーストラットが選べない変わり4WSを付けられ、SS−2はその反対となる。
 つまり、だ。SS−1は完全に街中のアシグルマと割り切っており、小回りだけは効かそうというもの。オプションでもLSDの設定はなく、雪道はアウトとなってしまった。スタッドレスタイヤの性能はまだまだ十分とは言えず、LSD無しのFFで雪道を走ろうものなら少しの登り坂でアウト!スキーファンは無理をしてでもSS−2を買わなくてちゃならないってワケだ。

 SS−2はLSDやスーパーストラットを付けられるため、ギンギンな走りまで可能。雪道もOKだ。しかしスーパーストラットを付けると、最小回転半径は5、5mとセルシオ並になってしまう。
 しかもSS−2といえども、ATになるとLSDは付けられない。AT派のスキーファンや雪国のセリカファンにとってはやや不満な装備内容といえる。どうしてシルビアみたいに全エンジンにLSDが付くようにしなかったんだろう?
 セリカのお買い得グレードは何だろう? SS−1と2の価格差は24万8千円。装備内容の違いはタイヤサイズとブレーキの大きさだけである。エンジンは40馬力違うけど、それはマニュアルを選んだ場合。
 ATだと30馬力差。しかもAT車が多用する4千回転以下のトルクはほとんど変わらないため、乗ってパワー差を感じることはほとんどないと思う。よってATを選ぶならSS−1で十分だ。

 最もスポーティな仕様はSS−2のスーパーストラット&ビスカスLSD付き。価格は221万3千円となる。
 といった具合で、セリカを買うならSS−1のAT。4WSは無くてもいいと思う。
 カラーは派手目をすすめる。カジュアルに乗るクルマということで、ライトな色合いがいいだろう。ダーク系は後から出てくるGT−4の時にプッシュしたいと思う。

 以上、ライバル2車をびっちり分析してみた。自動車評論家らしく早めの結論を出すとすれば(人気不人気が確定してから解説するのは誰でも出来る)、価格や性能、装備を考えると、シルビア優勢は変わらないに違いない。
 ウワサによるとトヨタ首脳陣も「セリカクラスのスポーティモデルはFFじゃアカン!」という見解になりつつあるという。コスト重視のあまりスポーティモデルまでFFにした戦略は、どうやら裏目に出たようだ。次期型セリカは90%くらいの確立でFRになるだろう。