絶大なる人気を誇った初代と対照的に、2代目セルシオの売れ行きはイマイチとなってしまう。中古車人気も、トヨタの狙いを大幅に下回り低迷中。中古車相場をチェックしてみたら、高値をキープした初代モデルと違って値落が激しい。新車だと590万円した7年式のC仕様さえ、すでに400万円以下で買えてしまう。おまけに初期型との相場差は、同じ平成6年式なら無いも同然といった感じ。
 なぜ2代目の人気がないか? 理由は簡単。初代を超える魅力に欠けるからだ。モデルチェンジして、むしろ安っぽくなってしまった感さえある。ワタシも2代目セルシオを見て失望し、当時の紹介記事でけっこうな悪口を書いたほど。特にスタイルは初代の方が圧倒的によかったぞ! どうやらセルシオユーザーの多くは、ワタシと同じ意見だった模様。トヨタもマズイと思ったのかもしれない。何と昨年のマイナーチェンジに引き続き、またしても大幅なテコ入れをしてきたのだった。それだけ代えたいブブンがあったのだろう。

 マイナーチェンジしたセルシオはどうなったか? 一言で表現すると「やっと初代を超えたね!」となる。予想していたよりずっとよろしかった。どこが改良されたのか説明してみたい。まず2代目セルシオを見た瞬間に「いやだなぁ」と感じたスタイルだけど、大きく変わった。写真を見ればフロントのイメージがガラッと変わったのに気付くでしょ? 初代セルシオの落ち着きと高級感を取り戻したみたい。いや、初代よりキチンと進化して新しいイメージを持つ。
 2代目モデルって車内から車体の四隅を見切れるようになった反面(ドライバーシートからフェンダーの先端が見えるような形状にした)、フロント回りが妙に角張り醜くなってしまっている。ワタシは理屈抜きに嫌いだ。今回のマイナーでこの周辺のボディパネルは全面的に変更され、イッキにカッコ良くなったという寸法。車内からの見切りは初代と同じく悪くなったけど(車幅感覚が掴みにくい)、そんなこたぁどうでもいい。ウデに自身がないヒトは、バンパーの左にオプションのヘタクソ棒でも付けりゃいいでしょ。最初からこのスタイルだったら、もっと人気になったろうなぁ。

 走りも大幅に向上している。初代セルシオの弱点だったのが、動力性能。ベンツSクラスやBMW7シリーズ、同期のライバルQ45などと高速道路で踏みっこになると、悔しナミダを流すことが多かった。やや低速トルクに欠けたからね。現行モデルになってホンの少し速くなったけど、ライバルも一段とバージョンアップしたため、状況は悪化。もはや勝負を仕掛ける気さえ失せてしまう状態。BMW740iと勝負しても、カンペキに負けちゃう。ベンツS500だって勝てない。
 ところがどうだ! マイナーチェンジモデルに搭載されるVVT−i付き280馬力ユニットときたら、めっちゃパワフル。最高出力もさることながら、トルクは37smから41smまで大幅向上。トルク1sm分は排気量を100tアップしたのと同等の効果があるため、4、4リッターのBMW740iにも匹敵するパワーフィールとなった。アクセルを踏んだ瞬間からグイグイ加速。これならBMW740iやベンツS500と踏みっこになっても負けない。

 絶対的な動力性能は計測していないが、265馬力モデルの最高速250q(ヨーロッパじゃ最高速度を公表している。発表されている速度以上でないと訴訟されるので信じてよい)を超え、260q近いそうな。直線での踏みっこになればGT−Rでも手を焼く。その上、ATは5速になり、サスペンションも走行安定性と静粛性/乗り心地をレベルアップ。さらにGOAだしVSCとブレーキアシストは全グレード付き、ヘッドライトはディスチャージドタイプ。インテリアの木目、P質感が良くなったし、で、考えられることは全て実現したように思える。セルシオって、このくらい気合いが入ってないとイケナイ。
 グレードは今までと同じA/B/Cの3タイプ。AとBには本革シートと、ヨーロッパ仕様のサスを持つ『eRバージョン』も用意される。eRバージョンはB仕様の場合で12万円高の588万円。ドレスアップのベースとして使うなら、絶対おトクだ。C仕様は今まで通りエアサスで、これまた豪華リアシートの『Fパッケージ』が72万円高。ライバルは間もなく価格を発表する新型キャデラックだろう。アメリカでもモロにセルシオのライバル車となるらしい。4、5リッターV8を搭載し、価格もいい勝負とのこと。右ハンドルなので、使い勝手での心配はナシ。