新型ソアラの発表は4月末か5月始めに決定。発表まで秒読みとなったワケだ。ところがユーザーの間では案外評判が悪い。というのもCTに掲載されたスクープ写真を見て多くの読者の皆さんが感じたように、相当カッコが悪そうだからである。
 確かに上のイラストや写真を見て、かっこいいと思う人は少ないだろう。まして新型ソアラのコンセプトは、89年の東京モーターショーに展示され最悪の評価を受けた4500GT。これでは期待のしようがないかもしれない。
 ところが、だ! 1月7日からスタートしたデトロイトショーに現れた関係者によると、意外にもスタイルが好評なのである。以下、新型ソアラについての最新情報をリポートしよう!



 まずはデトロイトショーで発表された1枚の写真を見て欲しい。これは新型ソアラを真正面から写したものだが、はっきりいってボクは驚いた。なにしろ未だかつてこんなシルエットを持ったクルマを見たことがない。
 なんといっても特徴的なのはフェンダーの張り出しだ。ウインドゥの所からほぼ真横に伸びている。スクープ写真でも想像出来たけれど、それよりはるかに強烈なイメージを与える。この張り出し、スタイルが個性的するという目的の他、トヨタが追究するもう一つの狙いを実現する効果がある。その狙いとは? そう。90年代のテーマともいうべき安全性だ。
 御存知のようにクルマは比較的正面からの衝突には強い。ソアラクラスのクルマなら1m近いクラッシャブルゾーンを確保出来るため、法的な数値を超える安全率を実現することが可能。
 ところが横方向となると話は違って来る。大きいクルマでもせいぜい20p。これではいくらサイドビームを付けてもたまったものではない。ベンツを超える安全なクルマを目標にするトヨタは、新型ソアラで横方向の安全度世界ナンバー1を実現しようとしたのだ。

 さて、肝心のスタイルだが、基本的にはスクープの通りと思って間違いない。しかし問題は仕上がりだ。スクープ写真を見ると、ボディ表面は凸凹が多く、ボディパネルの合わせ目もひどい状態。
 これはスタイルのいいクルマでも、ドロだらけになればかっこよく見えないのと同じことで、正しい評価は出来ないと思う。デトロイトショーに展示された写真はどうだろう? こいつは完成車だが、実に魅力的に感じてしまう。
 ボクが写真を見ていると「どうだい?」と声を掛けてきたアメリカ人がいた(ここで彼の身分を明かす訳にはいかないが、実車を見ているそうだ)。彼の言葉をそのまま書いてみよう。
「SC400(注・アメリカではソアラをレクサスSC400として売る)のデザインはエスティマを手掛けたキャルティ(ロスにあるトヨタのデザインセンター)なんだ。この写真じゃ解らないかもしれないけど、すごく美しいよ。今まで売っているどのクルマにも似てないのが自慢だね。



 最初は少し違和感があるかもしれない。でもどんどん好きになると思う。特に”面”の微妙な変化は素晴らしい。今ではスタッフも全員ファンになってる。6月1日を楽しみにしててよ」
 彼の話を聞いていると、本当にスタイルは期待できそうだった。特にダーク系のカラーは、夕方見ると刻々とシルエットを変えるそうである。
 サイズはどうか? これまではベンツのSECに匹敵する大型クーペだといわれていたが、実車の全長は4m80p。幅は1m80p程度という。したがってレジェンドの2ドアよりホンの少し小さい程度。
 しかも丸いスタイルなので、ぼってりとした感じはないという。どちらかというと、シャープな高級感を与えるのが目的らしい。最近のキャルティ・デザインを見ると、おそらく彼の言うことは嘘でなさそうだ。

 エンジンは最終的にアメリカと日本で2種類ずつとなった。アメリカはSC300/400と呼ばれのを見ても解るように、3リッターと4リッター。
 3リッターは直6で、マークUに搭載される2、5リッターを基本とした2JZ−GE。4リッターはセルシオに搭載される1UZ−FEとなる。
 で、気になる日本仕様だが、これまでは直6の3、8リッターや、5バルブの4リッターといった噂も流れていた。しかしみんな考えすぎ。いくら大トヨタといえどもソアラのために新エンジンを開発する余裕はない。
 もったいぶらずに書こう。日本仕様はスープラに搭載される280馬力の2、5リッターツインターボと、セルシオ用の4リッターに決定した。
 このうち2、5リッターはまったく同じスペックだが、4リッターは若干のモディファイを受け、270馬力(もしかすると280馬力)となる。
 なかには「なんだ」、とがっかりする人がいるかもしれない。しかし話には続きがある。新型ソアラの車重はセルシオより200sくらい軽いのだ。
 となればパワーウエイトレシオは5s台前半。スカイラインGT−RやNSXにはかなわないものの、スープラやGTOよりは優れたスペックだ。
 Cdが0、3を切る好データということもあり、4リッターの最高速は250qに届くといわれる。まさにSC(スポーツクーペの略)のネーミングに負けない実力と言える。



足回りはセルシオと基本的に同じ前後Wウィッシュボーン。あまり知られていないことだが、セルシオのヨーロッパ仕様のハンドリングは素晴らしく、潜在能力は非常に高い。こいつをしっかり煮詰めてあるそうなので、期待してよさそう。
 4リッターモデルには、セルシオより一段と進んだピエゾTEMSも設定されるらしい。クルマのクオリティは世界最高級といわれるセルシオに準ずる。完璧にバランスされたエンジンを始め(回転部分はミッションまでバランスを取っている)、振動の発生を防ぐジョイント角ゼロのドライブシャフトを採用。タイヤもソアラ用のスペシャルクオリティを要求されたそうだ。

 結果、ドライブフィールはセルシオよりハードなものの、ベンツやBMW8シリーズよりスムースで、高級感溢れたものになったといわれる(2、5リッター仕様はエンジンのクオリティが下がる分、ややレベルが落ちるという噂)。
装備内容についてはまだ決定的な資料がない。ただ「うわっ!」というギミックはないようだ。ようするに「世界初」とか「なんだこりゃ」という新兵器はなし。ただし装備は充実している。
 全車エアコンはもちろん、ライブサウンドシステムのオーディオ(4リッターはスーパーライブサウンドとなる)、アルミホイール、ABSを始めエアバック(助手席用は標準かどうかは不明)まで標準装備。4リッターには現行ソアラと同様、TVやナビゲーションシステムがオプション設定出来るかも知れない。

 気になる価格だが、アメリカで売られるSC300が3万1千ドル(420万円)程度。これから日本仕様は逆算出来る。というのも日本よりアメリカの価格が高い場合、ダンピングで訴えられるからだ。
 計算してみよう。アメリカまでの運賃と保険。それに5%の関税を考えると、1ドルを130円とすればSC300は350万円が妥当なセン。エンジンの分を考慮すれば2、5リッターターボは400万円を少し切るくらいになりそう。
 高級バージョンの4リッターは、装備が一段と豪華になるし、トヨタとしても数は売る気がないだろうから(4リッターエンジンの生産台数が少ないため)500万円を軽く超えることは間違いない。