《ウィッシュ》
●ライバルの良さを認めることで生まれた“スーパーストリーム”
○コンセプトを明確にすることで完成度アップ
クルマを見た瞬間に解る通り、コンセプトはストリームと全く同じである。これまで様々なバックマーカー(同じような市場を狙うという意味で)が登場してきたけれど、ウィッシュほど解りやすいモデルはなかったように思う。今までセダンやステーションワゴン、ミニバンといったボディタイプのモデルにも「多少似ているな」と感じるライバル関係はあった。長い歴史を持つボディタイプのため、似たモデルも出来てしまう。しかしストリームのライバルって、古今東西極めて少ないためか似たクルマを作ると目立つ。こう書くと「ディオンや初代イプサムと同じでしょ」と思うかもれない。
確かにボディタイプからすれば初代イプサムはストリームに近い。ただ「市場」といった点から評価すると大きく異なる。初代イプサムの価格を見ると、完全に2リッタークラス。いや、2リッターを超えるオデッセイと同じと言ってよかろう。ストリームはフル装備で169万8千円。実質的に30万円安い。これ、セダンなら車挌で1クラス違う。ディオンの場合安いけれど、内容的にも「それなり」。ストリームの凄さは、初代イプサムと同等の室内スペースや、動力性能をキープしつつ、燃費で圧倒し、価格も1クラス安いことだ。これだとまだ解りにくいか?
もう少し解りやすく言えば、人気ミニバンのノアと同じ室内スペースや動力性能、使い勝手を持ちながら、燃費が20%近く良くて価格170万円、といったイメージ。そんなノアの対抗馬がホンダから出てきたら、爆発的に売れるだろう。考えてみればフィットは正しくそういったクルマである。安かろう悪かろう、でなく「安いのに高価なクルマより全ての点で優れている」というのが凄い。ウィッシュは「凄いストリーム」を室内スペースから動力性能、燃費、衝突安全性、価格に至るまで徹底的に凌ぐことを開発目標とした。『スーパーストリーム』なのだ。
普通、新型車を開発する際、いろんなアイデアや要素を盛り込む。だからライバル車と違うクルマになる反面、負けてしまう点も出てくる。しかし「ストリームより優れたストリームを作ってやる!」という目標を立てれば、絶対ライバルに負けないクルマになることだろう。結果、当然のことながら徹底的にライバル車と似てしまった。驚くべきことにボディのスリーサイズはミリ単位で完全に同じ。ホイールベースのみ異なるものの、こらもうハードの都合であって、エンジンラインナップから価格設定、ボディシルエットまで極めて近い。
ここで問題になるのが「オリジナリティ」だ。つまり「そこまで似たクルマを作って恥ずかしくないのか?」ということである。興味深いことにトヨタの真似をホンダがしたら、ホンダファンは失望すると思う。ホンダに期待したいの、やはり強い個性や独創性だから。でもトヨタのユーザー層にとってみれば、オリジナリティは優先項目じゃない。似ていたって「良い商品であればいい」のだ。もちろん本家より完成度低ければ「後出しジャンケンで負ける」ことになってしまうものの、良い商品だったら少なくともユーザーにとって損など無い。
ここからは買う側が決めればよかろう。ファミリーカーを「趣味の対象」に位置づけて「ストリームの真似だからカッコ悪い」と判断するユーザー多いならトヨタの負け。「美味しい回転寿司屋さんが近所に出来た」みたいに軽いノリでクルマを買うのであればウィッシュ有利。
○ベースの違いがそのまま質感に現れている
前述の通りウィッシュの開発テーマは「全ての点でストリームを凌ぐこと」である。むろん今までのクルマもみんなライバルを凌ぐよう作られてきたが、やはりコストや技術の都合上、達成していない部分だって少なくなかった。しかし今回は文字通り「徹底的」にやったそうな。吉田チーフエンジニアの意気込みたるや「鬼神の如し」だったらしい。ワタシが指摘した唯一の「負け」であるサードシートの天地高も、寸法じゃウィッシュ勝っている。ただストリームのシート座面の方がソフトで座ると沈み込む。結果的に負けてしまったようだ(気付いたのが遅く改良できなかった。が、最近のウィッシュは改良済みなので同じと考えていい)。
個人的に「最も勝っている」のは質感だと思う。こらもうストリームのベースになったシビックと、ウィッシュのベースであるプレミオの車挌の差といってよかろう。トヨタだってカローラと、コロナの後継車であるプレミオではシャシに掛けるコストからして違ってくる。マークツーの上級グレードとクラウンのベーシックグレードを比べたら、やっぱりクラウンの方が質感あるのだ。極めて表現は難しいのだけれど、どっしり感の違いとでも言うべきだろうか。ストリームだって決して悪いクルマでないと思う。でも、それ以上にウィッシュの仕上がりがいいのだ。
走りもウィッシュ優勢。「ライバル車より100kg軽い」と評価されきたストリームより軽いボディに、100cc大きな排気量持つエンジンを搭載してるのだから当たり前か。考えてみれば「ストリームに負けない」というテーマ、走りも例外じゃない。
○軽快な走りを実現しているのだ
では試乗と行きましょう! Dレンジをセレクトしてアクセル踏むと、予想していたより軽快に走り出す。そのまま加速していくと、気持ちよく速度が乗って行く。1.8リッタークラスの4ドアセダンの平均的な車重は1250kg程度。1300kgのウィッシュの場合、セダンより女性一人分しか重くないから元気良くて当然か。2リッターエンジン搭載車もあるが、1.8リッターで何ら不満無し。エンジンフィールもなかなか良い。これまでのトヨタ車、エンジンは単なる「動力源」であり気持ちよさを重視してこなかったように思う。
この点が「エンジンは世界一!」を自負するホンダよりハッキリ劣っていた。しかし最近になってトヨタも「楽しさ」とか「気持ちよさ」にも気を配るようになったように思う。ウィッシュの1.8リッターは、高回転まで引っ張って使っても振動や騒音が高まらない。テストコースでの試乗ということで、クルマのポテンシャルをフルに引き出してみたが、高い評価を得ているストリームの1.7リッターと真っ向勝負出来る仕上がり具合。トルクの太さなど考慮すれば、ウィッシュの方が好ましいとさえ感じるほど。トヨタ車らしくATもスムース。
試しに150km/h程度で巡航してみると、アクセル開度極めて少ない。開発担当者に聞くと「空気抵抗を可能な限り少なくしました」。重量と空気抵抗はミニバンに共通する弱点。この2つが燃費を悪化させる。日本の法定速度は100km/hなれど、向かい風の時など合成風力で120〜130km/hに達することだって珍しくない。高速域になると走行抵抗の中で空気抵抗が最も大きくなるため、Cd値=0.30というウィッシュのボディ形状は大いに有利だと思う。そうそう。100kg重い4WD車にも乗ってみた。若干軽快さに欠けるものの、納得できる範囲内。全ての評価項目でホンの少しずつFFにかなわない感じだが、バランスよく”負けている”ためか、4WDだけにしか乗っていなければ違うこと事態解らないんじゃなかろうか。専門家ですらFF乗った翌日、違う試乗コースで4WDのハンドル握ったら、ほとんど差など解らないかもしれない。もし雪道をヒンパンに走るといった使い方をするなら、多少燃費悪くなっても4WDを選ぶ価値はある。ただ1.8リッターならFFをすすめておく。
○鋭いハンドリングでコーナーが楽しい
ハンドリングは試乗開始直後の濡れた路面を走ってみたところ、専門的に言うと「ややロール剛性強い」感じ。具体的な症状で言うと、アクセル開けた時にイン側のタイヤが空転しやすく、コーナー攻めていくとアンダー強めに出てしまう。安全面から考えれば問題ないのだけれど、面白味に欠けてしまう傾向。そんなことを考えながら走っていたら、ドンドン路面が乾きだした。するとウィッシュの印象は一変す。とても楽しいのだ! ウエットだと強く感じたロール剛性だったのに、ドライ路面だとスポーティでちょうどいい!
アンダーステアはウソのように姿を消し、ハンドル切ると気持ちよく曲がってくれる。電動パワステを使っているとは思えないくらいシャッキリしたステアリングフィールで、文字通り「意のまま」に走る感じ。ヨーロッパ車のような「走る楽しさ」を出したかったそうな。このあたり、新型カルディナを開発する時に得たノウハウをキッチリ投入したに違いない。このハンドリングなら、ウエット時に感じる「硬過ぎ感」も許容します。トヨタ車と言えば中途半端で個性の薄い80点主義のハンドリングが多かったけれど、変わり始めたということか?
絶対的なコーナリング速度や、限界特性、ブレーキのコントロール性といったものも100点に近い高い次元でバランスしており、トヨタの主張通りミニバンというより乗用車のような乗り味と言えるだろう。
気になる2000ccモデルはどうか? 1800ccエンジンを搭載するウィッシュとの違いは二つ。「変速機にCVT(スクーターのような無断変速AT)を採用したことと、当然ながら23馬力パワーのあるエンジンを積んだことによる走りの差」である。価格差は20万円。ウィッシュを買おうとしている人にとって大いに気になることだろう。果たしてウィッシュを買うなら1800ccか、それとも2000ccか? ハッキリ答えを出してみたい。
まず乗った感じからレポートすると、期待していた”23馬力差の速さ”に少し届かない感じ。「1800cc版より明らかにパワフル」といった走りではないのだ。街中で走っている限り、20万円高い”価値”は無さそう。冷静になって考えてみれば動力性能で大きな差が付く理由も無い。確かに最高出力は132馬力と155馬力で23馬力違う。
その反面、車重は60kg増え、変速機も低速域のパワー感を出しにくいCVTとくる。こう書くと「何でCVTは不利なのか?」と思うだろう。馴染みの薄い新しいメカニズムということもあり、詳しく説明しておこう。一般的なATで使われる「トルクコンバーター」は、スタート用のクラッチとしての機能の他、エンジントルクを増幅させる機能も持つ。
だからスノーモード(2速で発進する)でも、ほとんどストレス無く加速するのである。CVTもトルクコンバーターを組み合わせているが、スタート用クラッチとして使うだけ。走り出すと、すぐ直結(ロックアップと呼ばれる)してしまうのだ。つまりトルク増幅機能は、走り出してから20km/hくらいまでの速度域でしか使えない。
直結した後はどうするかというと、マニュアルミッションと同じくエンジンパワーのみで加速するワケ。普通のATの1,8リッターの場合、25km/hからアクセル踏むとエンジンパワー+トルク増幅機能で加速するため、200ccの排気量差は感じない。そんな理由により低速域からの加減速が多い街中で乗っていると(40km/hくらいまでなら1,8リッター優勢)23馬力のアドバンテージは薄れてしまう。この点さえ理解できれば、ウィッシュの2リッターを理解したようなものである。
もちろん高速道路を走ったり、ワインディングロードでスポーティドライブをすると、絶対的な馬力で勝る2リッターが速い。特に追い越し加速や、アップダウンの多いワインディングロードをハイペースで走った時など、常時最適なギアレシオを選んでくれるCVTはスムースでパワフル。20〜60km/hという速度域から上になれば、俄然2000ccが有利になると思っていいだろう。
スポーティグレードの『Z』にも試乗してみた。引き締まったサスペンションと、CVTの機能アップバージョンと言うべき6速マニュアルモードが『G』との違い。ワインディングロードを走ってみると、確かにスポーティである。Z以外では設定の無いスピン防止装置VSCやディスチャージヘッドライトも付く(オーディオはスピーカーを含めて付かない)。
219万8千円は決して安くないと思うけれど、せっかく2リッターを買うなら、1,8リッターと大差ない『G』じゃなく、いっそ『Z』がいいかもしれない。ちなみにインテリアの使い勝手は全車同じ。ということで通勤など街中で乗る機会多いなら、燃費良く低速域からのピックアップに優れる1,8リッターを。高速道路走る機会多いなら2リッターをすすめておく。
4WDは全ての評価項目でホンの少しずつFFにかなわないように思う。ただバランスよく”負けている”ためか、4WDだけにしか乗っていなければ違うこと事態解らないんじゃなかろうか。専門家ですらFF乗った翌日、違う試乗コースで4WDのハンドル握ったら、ほとんど差など解らないかもしれない。もし雪道をヒンパンに走るといった使い方をするなら、多少燃費悪くなっても4WDを選ぶ価値はある。
○万人受けするデザインにプレミアム感をプラス
デザインは「ミニバンじゃ無い」というコンセプトからスタートしている。ストリームの宣伝コピーを見ると「7シータークーペ」と書いてあるが、ウィッシュも全く同じコンセプトだと考えればよかろう。となると違いはデザイン力か? もっと簡単に言えば、ドッチがカッコいいか、ということ。個人の好みで評価は変わってくるけれど、ストリームって多くの人から指摘される弱点を持っていたように思う。サードシート用のサイドガラスの形状と、フロントマスクだ。ウィッシュのデザインを見ると、これといった弱点を持たない。全体的によくバランスが取れており、万人受けしそう。TVタレントなら誰にでも好かれる系。
またストリームと並べると、一回り大きく見える。おそらくボディの面構成の関係だと思うが、内側から「パン!」と張り出しているような感じ。ヨーロッパ車にはよくあるタイプの面構成で、最近のトヨタ車に多い。数少ないウィッシュの弱点がフロントのエンブレム。『W』という字をモチーフにしているのだろうけれど、ハンバーガーチェーンのようなデザインだったりして。ひっくり返すとミズノのマークにも似ている。エンブレムはやっぱり難しい。だったらトヨタマークで良かった。また、ヘッドライト形状はフィットそっくり。リアのハッチドアも、ランクス&アレックスによ〜く似ています。ま、どうでもいいことですけど。
ストリームと寸分も変わらないボディサイズはトヨタに聞くと「もっと小さくしたかったのですが、居住性を考え今のサイズになりました」。ストリームと合わせたのか聞いてみたら「いや、ストリームの設計が素晴らしいかったということです」。つまり開発当初はストリームと同等の居住性をストリームより小さいサイズで実現しようとしたが、不可能だった。それなら何とか同じサイズで実現しなければならない、ということなんだと思う。それだけストリームの車体設計が優れていたということか。同じボディサイズでも、ストリームを居住スペースで大きく凌ぐことは難しかったようだ。ホイールベースだけウィッシュの方が50mm長い。
スリーサイズは全長4550mm。カローラとプレミオの中間程度のサイズだと思えばよかろう。全高1590mmで、タワーパーキングに入る1550mmを超えてしまった。1550mmに抑えようとすると、居住性が犠牲になってしまうためとのこと。ストリームにも言えるコトながら、タワーパーキングの方は40mm分のローダウンスプリング(スノーチェーンを装着するため、多少車高に余裕を持たせている)に交換するというチョイスもある。最小回転半径はFFで5.3m(4WDだと5.5m)。1.8リッタークラスの4ドアセダンと同等である。使い勝手としては、正しく乗用車と同じだと考えていいんじゃなかろうか。
○機能性重視の操作系で長く付き合えるクルマに
運転席回りのデザインを見るとオーソドックス。「攻めのデザイン」でなく「飽きのこないデザイン」と評しておく。今やこのクラスの定番となりつつあるインパネシフトを採用しているあたりも普通っぽい。ただ機能的には充実している。全てのウィンドゥにUVカットガラスを採用。リアドアから後ろのガラスは標準でプライバシータイプだ。ユーティリティスペースもタップリ。クルマに常備したい曇り止めスプレー&ウエスや、CD、MDなどの音楽ソースといった”荷物”は余裕を持って収納可能。ま、今やこういったユーティリティスペース、あって当然か?
気になる視界(ビジビリティ)は、何とか合格点。今や衝突安全対応のため、Aピラー(一番前のピラー)がドンドン太くなっている。細いと簡単に折れ曲がってしまい、乗員を守るスペースを確保出来なくなってしまうのだ。そんなことから最近「死角」の大きなミニバンも増えてきた。この傾向、トヨタは真剣に考えているらしく、Aピラーとフロントドアの間に小さい窓ガラスを設置するなど努力している。試乗の時にしっかり視界をチェックしてみたが「素晴らしい!」と言えないまでも、納得出来るレベルに達していると思う。クルマを買い換える際は、ぜひともAピラーの死角に注意して下さい。後方視界も良好だった。
○多彩なシートアレンジでユーティリティに不満無し
長い間、日本車に共通する弱点はシートだと言われてきた。というか実際日本車のシート、ダメだったと思う。もちろんトヨタだって例外じゃなく、初代プリウス買った時は迷う余地無くシート交換したほど。やはり「長時間イスに座る」という文化が浅いのか、疲れてしまうのだ。特に腰痛持ちだと徹底的に厳しい。日本の自動車メーカーもシートの重要性を認識し始めたらしく、トヨタとホンダ、スバルは全社的にシートの改善に取り組んでいると聞く。中でも結果を出し始めているのがトヨタ。シート専門の評価スタッフを養成し、チーフエンジニアや重役でもシートの評価は出来ないそうな(文句言ってもいけれど反映されない)。
まだ万全だと思えないが、アルファードのシートに座ると「フワフワを良い」としてきたトヨタ車のシートから、ヨーロッパ風の腰のある座り心地に変わりつつあることを感じさせられる。ウィッシュのシートも新しいコンセプトで設計されたもの。シートの骨格もさることながら、座面の硬さやシートバックの形状(特に腰のサポート)に凝ったという。座ってみるとヨーロッパ車のシートほどカッチリしていないまでも、従来のトヨタ車と明らかに違う味付け。解りやすく書くと「座面がカッチリしている」のだ。機会あったらぜひ長距離を走ってみたいと思う。長距離ドライブの特に有り難いアームレストは全モデルに標準。
セカンドシートは前後スライド機能付きの6対4分割タイプ。座ってみたが、余裕の居住性である。サードシート使わない場合、最も後ろまでスライドさせるとユッタリしたレッグスペースを持つ。ストリームのユーザーに聞いてみると、皆さん普段はステーションワゴンのようにサードシートを折り畳んでいるそうな。この状態だとリアシート広いステーションワゴンのようなもの。また、セカンドシート左右席にISO−FIXチャイルドシートの取り付け金具と、固定用のティザーアンカーのキャッチャーを装備。
サードシートまで使うとどうか? 運転席に身長183cmのドライバー座り、若干遠慮気味のポジションに合わせ、サードシートを170cmの乗員がガマンせず座れるようなポジションにセカンドシートを合わせてみた。すると身長180cmの男性も何とか座れる広さ。つまり平均的な男性が運転し、平均的な女性や子供をセカンドシートやサードシートに乗る、という使い方なら必要にして十分な居住性を持つと考えていいだろう。気になるストリームとの比較は、気持ちウィッシュの優勢であります。
ラゲッジスペースは4通りチェックしてみた。まずフル乗車時から。サードシート後方に残るスペースを見ると、いわゆる「ミニマム」というサイズ。7人分の荷物など、とうてい積めぬ。親戚や友人を近所のファミリーレストランや駅まで送迎するようなモードだと考えて欲しい。最も多い使い方が「サードシート折り畳んだ状態」だと思う。完全にフラットなステーションワゴン風のラゲッジスペースになるため、使いやすい。奥行きがあり絶対的なスペースはミドルクラスのステーションワゴンより広いほど。
このモードで海外旅行用の特大サイズのトランクが4つ積めるし、4人分のスキー&スノボグッズや4人分のオートキャンプ用品もイケる。4人を移動する際の単位とするユーザーなら大いに満足出来ることだろう。「さらに大きな荷物」のときにはセカンドシートも収納可能。すると奥行きはさらに拡大し、いわゆる「長尺物」を飲み込む。さて、どんなものか考えるも、ワタシの生活の中じゃそんな長い”モノ”存在しない。スキーも今や短いのだ。特殊なスポーツするヒトや、車内泊といったモードを考えればいいんじゃなかろうか。
最大のラゲッジスペースは助手席を前に倒した「ドライバーのみ」のモード。ここまでするとかなり強力なスペースを作れる。広い部屋用のジュウタン運ぶとか、引っ越しといった1年に1回あるかないかの使い方用か。いずれにしろウィッシュのラゲッジスペースは4人までなら100点! どんな使い方にも対応すると考えてよかろう。シートアレンジも実用上問題なし。海外旅行の帰りや「まだ長いスキーを使っている人」など4人+大量の荷物を運ぶなら、セカンドシートの片側3分の1だけ収納するという方法も使える。このモードでも4人分の3点式シートベルトはしっかり確保。
最後に安全性について。これまでのトヨタ車も衝突安全性能は非常に高いレベルにあった。イプサムなど、重い重量に短いボンネットという不利な条件にも関わらず、最高評価の☆6つを取ったほど。ただ「対歩行者に対する安全性」についていえば、ホンダの圧勝状態。おそらく早い段階で研究に取りかかったのだろう。このあたりの先見性の高さがホンダらしい。しかし「それじゃやってやろう!」と気合い入れた時のトヨタは強い!
ウィッシュからホンダと同じレベルの対歩行車安全性を持たせてきた。簡単に書くとボンネットの下側に「硬いモノ」を置かないということなのだが、ボンネットのヒンジ(付け根)部分など強度を必要とする部分や、ワイパーの付け根といった構造からして対応しなければならない場所もある。ウィッシュはホンダと同等レベルで対策済みだ。
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