4月13日 以前「日本の軽油はヨーロッパの軽油と比べて汚い」というテーマを取り上げたのを覚えているだろうか? その後、軽油の硫黄分の話題が新聞などで盛んに取り上げられるようになったけれど、ここにきて具体的な動きも出てきたので最新情報を報告したい。トップニュースは、ついに「2004年末までに日本の軽油も硫黄分ヨーロッパ並の50ppmにする」と政府が決めたことである。
こうなった流れを紹介しておく。まず東京都はサクッと「2003年10月までに軽油の硫黄濃度を50ppm以下にしなさい」という法案を決めてしまった。面白いことに埼玉県や神奈川県、大阪府なども同調。大都市圏に限って言えば50ppm化確実の情勢。石原都知事の実行力たるや素晴らしい! さすがの政府も黙っていられず、ついに全国で販売する軽油を50ppm化することにしたという寸法。
実施時期は東京都より1年遅れの2004年末。なぜ政府は煮え切らなかったのか? 当然のごとくコストの増加を伴うためだ。大量生産すればリッター当たり5円くらいのコスト増で収まるようになるが、値上がりすることは間違いない。となれば政治家に対し多大な影響力を持つ物流&建設団体が黙っていない。強力な圧力を掛けるため、値上げなど無理。KSDの汚職事件など見ても容易に想像付くでしょう。
といった理由から軽油の低硫黄化は遅れ気味となってしまっていた。ただ日本の石油事情を考えると、低硫黄化はヨーロッパより技術的に難しい厳しい。あまり知られていないことだが、日本に輸入されている原油はヨーロッパの北海油田産より質が悪い。いわゆる「重い」のだ。さらに日本では暖房に軽油と極めて近い灯油を多く精製するため、ヨーロッパだと重油に近い油質から軽油を採っている。
したがって現在の500ppm(実際に販売されている軽油の硫黄濃度は平均すると350ppmくらい)にするのも大変だった。さらに10分の1に落とすとなれば、精製設備からして換えねばならない。そんなことから、初期段階では20円ものコスト増になると言われている。その後安くなっていくとは言え、実際に販売されると2003年10月段階でリッター10円高。2004年で5円高くらいになりそう。
さて、50ppmの軽油を導入すれば十分かとなれば、そうでもない。ディーゼルエンジンの排気ガスを完全にクリーンなものとするには10ppm以下でないとダメ。すでにヨーロッパでテスト販売が始まっており、アメリカも2007年に15ppm(実際売られるのは10ppm程度になろう)の軽油を導入することを決めている。おそらくヨーロッパもアメリカと歩調を合わせるんだと思う。
日本はどうなるだろうか? これまた指導力のある政治家が出てくれば簡単に決まるんじゃなかろうか。もし10ppmの軽油が使えるようになったらディーゼルの将来は明るい。専門家に聞くと「Nox触媒さえ何とかなればガソリンと同じクリーん度の排気ガスになります」そうな。ディーゼルエンジンの熱効率は燃料電池に匹敵する。2010年くらいからディーゼルのハイブリッドが主力になっていく可能性極めて高い。
最後に「なぜ硫黄分か」ということを簡単に説明しておく。硫黄分は燃焼すると”スス”になる。硫黄分が多ければ多いほど黒煙を出てしまう。500ppmでは排気ガスを浄化するための触媒は使えない。硫黄分で触媒がつまってしまうためだ。触媒無しで排気ガスを浄化すること不可能です。ちなみに東京都は今年中に低硫黄の軽油を販売することを決めた。現在の軽油より高くなるが、都から補助も出すそうなので10〜15円高でおさまるか? この軽油使えば、新しい世代のディーゼルだと黒煙減ると思う。
6月13日 ディーゼル車の排気ガス規制を東京都が行う、と発表した途端、政府の動きは急になってきた。そりゃそうだ。東京都に国の職務怠慢を指摘されようなモン。だってそうでしょ。大気汚染が一向に改善されず、しかも様々な地域で排気ガスを原因とする健康被害出てるのに、政府は対応する気配さえ見せない。環境庁など、無くてもいいと思えるほど。実際、環境庁なんてムダ飯喰いの集まりじゃなかろうか。一度だって「環境庁よくやった!」と評価できる対応していないもの。しかし東京都(ホントは石原知事なんだけど、こないだの失言で減点)はそうでなかった。
黒煙に着目し、フィルターを装着しなくちゃならないよう、法規対応しようと動き始めている。黒煙を除去するフィルター、その気になればスクーター一台分くらいのコストで作れるし、黒煙除去効果たるや抜群らしい!未だにフィルターは100〜300万円する、と試作品のネダン書いているトンチンカンな新聞もあるけど、あんなもの量産すれば大幅にコストダウン可能。東京都は2003年から段階的に装着を義務づけ(古いクルマから対応させていく)、3年後にディーゼル車から排出される黒煙を駆逐する計画。
2月22日 もしディーゼル車に乗っているなら、なるべく早く下取りに出すことをすすめたい。というのも東京都の石原知事が打ち出したディーゼル規制が、相当の確立で実行されそうな気配になってきたためだ。もしディーゼルの規制を立法化したらどうなるか? 東京都内で登録しようとすれば、トラックだけでなく乗用車登録のディーゼル車にも黒煙を除去する装置(DPFと呼んでいる。ディーゼル・パティキュレート・フィルターの略)の装着が2003年から義務づけられる。乗用車のDPF、おそらく量産化しても10万円は下るまい。
したがってディーゼル車を手放すユーザーが続出すること確実。東京都だけでなく、都内に乗り入れることまで禁止するそうなので、東京近県のユーザーも手放すことだろう。となれば中古車市場ガタガタ。今ならまだ立法化されておらず、そこまでの騒ぎになることも予想されていない。まぁまぁの査定を付けてくれるハズ。いずれにしろディーゼル持っているヒトは、手放すなら早ければ早いほど吉だと思う。
またこの規制に対し、都民は大賛成。業界側は大反発している。業界の言い分はおおよそ三つ。
1)DPFはイスズでしか作られておらず、価格も100〜200万円する。他のメーカーに合うかどうかも不明。
2)規制しても厳しい罰則がなければ誰も守らず、ザル法になってしまうのではないか。
3)SPMと呼ばれる大気中の浮遊粒子状物質のウチ、ディーゼルから排出されるものは半分程度といわれており、根本的な解決にはならない。
見逃してはならないのがディーゼル燃料である軽油に含まれる硫黄分。日本の軽油は先進国で最も不純物多い。石油会社はいつでもクリーンな軽油に出来ると言っているのだけれど、当然のごとくコスト高に。それは許さない、と大手の軽油ユーザーが文句を付けている。建設や輸送と一枚板である政府は、長年見逃してきた。軽油中に含まれる硫黄分をヨーロッパ並みに低く出れば、黒鉛もずいぶん少なくできるのだ。