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12月4日

NISMOフェスティバル05

おおっ! R390であります!

 以前三菱のラリー系イベントに行ったことはあるが、今回のようにサーキット占有でとんでもない数のレーシングカーが走るイベントに行くのは初めて。早朝に出発しようと予定していたのだが、子供が遠足前日に寝付けないように、僕も興奮して寝付けず。寝坊でもしたら大変なので、そのまま夜中のうちに出発してしまった。途中で仮眠をとりながら向かい、ゲートオープン前の7時前、富士スピードウェイに到着。するとすでに車の行列。周りの車を見ると、当たり前かもしれないけどほとんど日産車。それもカッコよくチューニングされたスカイライン、シルビアなどがたくさん並び、日産車オーナーの私は「クルマ好き、スポーツ好きのユーザーに日産車はこんなにも愛されているんだ」と誇りに思ってしまった(私の初代プリメーラはほとんどいませんでしたが)。


 サーキット内の渋滞を抜けイベント会場へ入ると、すでに物販コーナーには行列が。何事かと思って見てみると実際にレースで使われた外装パーツやホイールなどを売っている! 超気合いの入ったレースファン、日産ファンならどれだけ並んでも欲しいものばかり。特に日産ファンは熱い人が多いですから。イベントが始まるまで展示車両などを見学。グループAの「R32GT−R」やル・マンに参戦したマシンを見ていると「グループAは大人気だったなあ」とか「星野選手はR390でル・マンの表彰台に上ったなあ」とかたくさんの名場面を思い出してしまう。自分が10代のころを思い出しながら見学をしていると、コースからエンジン音が聞こえてきた。今日走るマシンのウォームアップ走行が始まったのだ。早速スタンドへ移動すると、口をアングリ開けてしまう程の迫力。ハコスカ(僕にとって走っているところを見るのは初めて)や、サニー(FR時代)のレーシングカー、さらにはこのイベントにおける目玉の1つ、R380シリーズからGT500クラスに出場している最新のフェアレディZまでもが全開走行。これが見られただけでもかなり満足してしまった。ウォームアップ走行が終わると、ドライバーの皆さんがホームストレートに集まり、開会式。ドライバー紹介があり、またベテラン代表星野一義選手、若手代表井出選手が大観衆に挨拶。イベントは幕を開けた。

実際にレースで使われたボンネット。こんな物まで売ってます!

 セレモニアルスタート、マーチレース

 開会式が終わって最初のイベントは「セレモニアルスタート」。これはラリーの「セレモニアルスタート」と同様のもので、スタート台にマシンとドライバーが登場。インタビューを受けてコースに向かうというもの。ラリーでは当たり前のことだと思うが、ドライバーのジョークを混じえた楽しいコメントはとても楽しかった。例えば「昔の日産ドライバーと言えば?」と聞かれたらすぐに名前が浮かぶほど有名な長谷見選手のコメントは「星野とバトルだ!(長谷見選手はR31スカイラインGTS−RのグループA仕様、リーボックスカイラインをドライブ)」。それに対し星野一義選手は長谷見選手に向かって「次期型GT−Rはすごく速い車だから今から頭金を貯めて買って下さい。(星野選手はR32スカイラインGT−RのグループA仕様、カルソニックスカイラインをドライブ。青鬼のニックネームや派手な縁石跨ぎを思い出します)」とコメント。観客の笑いが絶えなかった。

 このセレモニアルスタートには、「MARCH Cup エキシビジョンレース」にも参加した日産のカルロス・タバレス副社長も登場(同じカルロスでもゴーン社長とはなんか違う感じ)。セレモニアルスタートでインタビューを終えた選手はサーキットの外周路を使ってコース内へ移動するのだが、この移動がとても良かった! サーキット内とはいえ普通の道をレーシングカーが走り、後ろの車が来るまで止まって待っている間、ファンがドライバーにサインをもらったり、ドライバーと話をしたり、写真を撮ったりとまるでラリーのリエゾン区間を見ているようだった(実際にラリーのリエゾンは見たことありませんが)。

 マーチが頼もしく見えます。

 1度目のセレモニアルスタートの後行われたのが、日産のドライバー7人と前述のタバレス副社長が参加して行われた「MARCH Cup エキシビジョンレース」。全員同じ車ということもあり、ドライバーの体重までもが影響するシビアなレース。ドライバーは賞品が賭かっていたせいか大マジなため、ワンメイクレースの醍醐味を見ることができた。優勝したのは井出選手。タバレス副社長は7位だった。

マーチ、マーチ、マーチ!

R380のデモラン!

 今回目玉の1つだったR380のデモ走行。なんと当時のライバルだった「トヨタ7」まで登場し、一緒にコースを走った(これも1つのサプライズなのかも)。このデモ走行「R380に載っていたエンジンがハコスカGT−Rに載っている」くらいのことしか知らない私にはものすごく新鮮なものだった。まずはサウンド。比較的小排気量であるR380はすごく頑張っている感じがするカン高い音。そして大排気量のR381/R382が図太い音。まったく聞いたことがない音だった。もっとビックリしたのが、怪鳥というニックネームを持つR381のリアウイング。左右で別々に機能するのだ(エアロスタビライザーと呼ばれていた)。オーロラビジョンを見ると確かにコーナーでリアウイングが違う角度になっている。「最近ではこのように度肝を抜くようなアイデアって見なくなったなぁ」と思ってしまった。R380をドライブした砂子塾長が「この車で昔の富士の30度バンクに全開で突っ込んで行くのは、もっとお金もらわないとできない(怖いということ)。昔のドライバーってすごい」とコメント。時代の変化を感じた。

ライバルのトヨタ7も来ました。

 またここで今日1つ目のサプライズが。当日解説を務め、かつてR380をドライブした砂子義一氏(砂子塾長の父親)が「当時、幻となったR383が来年このイベントで走る」と発表。R383はR382の6リッターV12エンジンにターボを付け、当時6キロあった富士スピードウェイを1分40秒で走るために開発された化け物。R383は完成直後に社会情勢の変化のためレース計画がなくなってしまい、サーキットを走ったことがないのだ。来年の楽しみがもうできた。

 

伝説のR380です!

R381.リヤウィングに注目!

 このR380シリーズのデモ走行後くらいからポツポツと雨が。雨になってしばらくすると雨は雪へ。このため残念ながらこの後の2回予定されていた模擬レース、フェアレディZチューニンガーバトルはペースカー先導によるパレードという形になってしまった。

ちょっと一息


 レースシーズン後のイベントで特に重要なのは、ファンとドライバーの交流やファン参加型のアトラクション。もちろんこのイベントでもそういったものは見られたので紹介したいと思う。

 まずは「ピットワークシュミレーション」。これはピットクルーのタイヤ交換作業がデモンストレーションされ、希望者は抽選でタイヤ交換を体験できるというもの。ピット作業を目の前で見ると、人間技とは思えない速さと迫力。ピットクルーはだいたい6秒で一本のタイヤ交換を終えていた。一般の方は様々で、タイヤを持ち上げるのに苦労する人から10秒で一本終える人までいた。10秒で出来るなら、練習したらニスモのピットクルーになれそう(爆笑)。何度ものニスモ優勝、年間タイトル獲得はメカニックの頑張りも大きかったのだなとしみじみ感じた。

 次に紹介するのは「9Drivers」というアトラクション。これは8人のドライバーが集まり、「記念写真取りたい人〜」という呼びかけに挙手をした子供たちの中から、各ドライバーが1人の子供を指名。指名された子供はドライバーとの2ショット写真、そしてドライバー全員と記念写真が撮れるというもの。8人のドライバーにそれぞれ指名した1人の子供を入れて9人になるため、「9Drivers」という名前なのだ。指名された子は一生の思い出になるだろうなあ。子供は得だ。「子供は得」といえば、物販コーナーではチビっ子に小物のプレゼントがあったり、展示コーナーではチビっ子限定でマシンに座らせてもらうことができた。

 

チビッコがGTマシンに乗って記念撮影。いいなぁ〜。

                                         このイベントでは通りがかりのドライバーにサインをもらったり、2ショット写真をとることも可能。レースウイークではないのでドライバーもリラックスしており、気軽に接することができる(もちろんマナーは守って下さいね。レースシーズン中は気を遣うファンが多いのか、サインなどをもらいやすいこの場だとドライバーの周りが結構人だかりになる)。

ブノワ・トレルイエ選手。こうやって気軽にサインもらえちゃいます。

グリッドウォーク


 今回のイベントで一番楽しみにしていたのは、2回目の模擬レース前に行われたグリッドウォーク。このイベント、1000人限定で、1000円かかるがスターティンググリッドに入場できるというもの。コース内に入るとそれだけで満足な気持ちに。並んでいたのはスーパーGTやル・マンに出てたマシンが中心。スターティンググリッドに入ってマシンを間近に見ることができることなんてなかなかないので、もし来年もこのイベントが実施されたら、是非見ることをお勧めします。

R33GT−Rと田中哲也選手です。

模擬レースA


 グリッドウォークのあと、先ほど並んでいたマシンによる2回目の模擬レースが行われた。残念ながら降雪のためペースカー先導のパレードということになってしまったので、一緒に走ることはなかったGT−RとZのバトルとか「どれが一番速いのか?」なんてことを見ることは出来なかったが、それでも十分楽しいものだった。ペースカー先導とはいえ、やっぱり走行ペースは速い。スタンドから見ていると「どれも全開なんじゃないか?」と思うくらいの速さだ。ドライバー達からしてみれば流してるくらいなんだろうけど。

サプライズ!


 場内放送やプログラムを見ていると「15時過ぎにサプライズがあります」という情報が。時間前にはそれこまで気が回らなかったが、実際15時前になって、スタンドから23番ピットを見るとシャッターは閉められ、報道陣が集まる物々しい雰囲気。待っている間「まさか次期GT−Rが走るとか?」なんて考えてしまったが、さすがにそれは違った。

 シャッターが開いていきなりエンジン全開で出てきたのは、カーボンむき出しで真っ黒なZ。来年のスーパーGT仕様マシンが大観衆の前で走ったのだ。実は先週極秘でシェイクダウンは済ませてあったそうで、雪の中を3周順調に走りピットイン。マシンがピットに入るやいなやシャッターが閉められる厳戒態勢。場内放送で流れた開発者の話では「レースで速いマシンを目指した」とのこと。シェイクダウンを担当した本山選手からは無線で(場内放送で無線が流れたのだ)「レスポンスが良すぎる!」という声が。これはエンジンのレスポンスが改良され、雨だったのでレスポンスが良すぎてコントロールがしにくかったのではと想像する。何はともあれこの時期にマシンができて走っているということは素晴らしいこと。来年から5台体制になることや、まだ開幕まで4か月以上ありマシンをさらに熟成させられることを考えると、来年のスーパーGTはZが勝ちまくるかもしれない。

フィナーレ


 06年型Zのサプライズ登場後はいよいよフィナーレ。今日参加したマシンのほとんどがコースをパレードするのだ。寒さも頂点になってきた頃、ホームストレートで花火が上がりスタート。比較的身近なチューニングカーからハコスカやサニーのレーシングカー、ル・マンを走ったマシン、最新GTカーのZまでが並んで走行した。走った時代や場所の違うマシンが一度に走る様子を見ると、いろんなことを思い出したり考えさせられたりして、何とも感動的なものだった。パレードを終え、マシンが戻ってくると何発もの打ち上げ花火が上がり、イベントは幕を閉じた。

まとめ


 今年一番の寒さの中行われたイベントだったが、普段は見られないものがたくさん見られてとても有意義な一日だった。このイベントは充実しすぎてて、すべて見るのはとても不可能。ツインドリフトのアトラクションや、R33,34スカイラインの開発チーフだった渡辺氏とテストドライバーの加藤氏のトークショーも見たかったのだが、レポートにも書いたグリッドウォークと時間が重なってしまい見れなかった。新旧のレーシングカーが走る姿、ドライバーの楽しいトーク、そしてサプライズ。今年行けなかった方、あまりこの手のことに興味がなかった方も、来年は是非このイベントに参加することをオススメする。日産の財産を是非とも見て欲しい。

 もう1つ強く感じたことは、久しぶりに日産らしさを感じたこと。「日産らしさって何?」と聞かれたら、私はスポーツ性とか走りへのこだわり、勢い、といったものを思い浮かべる。そういうものがこの1日にはあった。この盛り上がりを見ながら、「たまには日産らしいワクワクする車を出してよ」と思いました。

最後はやっぱりハコスカGT−R!

レポート/永田恵一