ジジイの戯言

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af EXE

<植物から燃料を作る>

 一昔前まで「遠くない将来原油は枯渇する。となれば水素を使う燃料電池しかない!」という割と単純な”将来地図”をベースに、自動車メーカーは動いていたように思う。だからこそ莫大な予算を使って燃料電池の開発も進めていたのだろう。しかし! 今年に入り雨後のタケノコの如く続々と石油代替燃料がデビュー。いずれも現実的だったりして。どうやら次世代のエネルギー事情は劇的な転換点を迎えつつあるようだ。最新情報をレポートしてみたい。

 まず『石油代替燃料』について説明しておく。最も分かり易いのはサトウキビやトウモロコシから作られる「エタノール」。ガソリンに混ぜて使うことも可能で、ガソリンエンジンの燃料として使える。すでにヨーロッパやアメリカでは5〜10%程度のエタノールを混ぜた燃料が流通しており、ブラジルなど100%エタノールで走るクルマさえ珍しくない。驚いたことに現在販売されている全てのトヨタ車は、エタノールを10%混ぜたガソリンも使えるそうな。

 今まで普及しなかったのは、ガソリンより高価だったためだ。エタノールの生産コスト、おおよそリッター当たり50円。1バレル=50ドル程度までなら、エタノールよりガソリンの方が安かったワケ。けれど現在のように1バレル=70ドルになってくると、急に魅力のある代替燃料になってきます。だからアメリカの自動車メーカーは『E85』(ガソリン15%/エタノール85%の燃料。100%エタノールより始動性良い)対応化を進め始めた。

 しかも植物由来のエタノールなら、光合成により空気中の二酸化炭素を吸収。それを燃料として使えば、地球温暖化ガスの排出も大幅に減らせるという大きなメリットを持つ。されど困ったことにエタノールの需要が急激に増えたものだから値上がり傾向。ここにきてリッター当たり70円を超えるようになっている。加えてサトウキビは温暖な地域でないと収穫できず、トウモロコシも天候によって収穫量が上下してしまう。安定的な供給という点で不満大。

 この時点で世界中の投資家達は目覚めた。「今後原油相場が1バレル=50ドルを下回ることなどなさそう。だったらリッター50円くらいで石油代替燃料を作れれば莫大な利益を得られる!」と考え始めたのである。結果、昨年あたりから様々な機関で代替燃料の研究が始まりましたね! するとどうよ! 出てきた出てきた! ガソリン代替燃料として使うエタノールについちゃ、草食動物の体内細菌類を使うことによりほぼ全ての植物から作り出せそうな雰囲気。

 これ、BTL(バイオマス・トゥ・リキッド)と呼ばれる技術に発展し、どうやらメタノールだけでなく軽油代替燃料まで作れる目処がついたようだ。今や『カーギル』(米国)に代表される穀物流通会社は、BTL燃料の開発に莫大な投資をし始めた。やがて植物を経由せず、葉緑素からBTLを生産出来るようになると思う。となれば太陽光と淡水さえあれば、どこでもBTL生産施設を作れる。凄いことになってきたと思いませんか?

 様々な情報を総合して考えると、そう遠くない将来、燃料コストは現在のガソリン1リッター分の熱量(100%エタノールだと1,7リッターに相当する)で最大100円程度で収まる模様。現在のガソリンの倍くらいになってしまうものの、燃料電池と比べれば圧倒的に現実的である。ただ普通のガソリンエンジンじゃオサイフに厳しい。少なくとも燃料代が現在の2倍になるのだから。21世紀の基幹技術は「燃費の良いハイブリッドかディーゼル」であります。

<ベストカー達人コラムより>  

<郵便局はどうすんの?>

 あまり考えたことないかもしれないが、郵便局員は公務員である。だからこそ小泉首相も公務員を減らすべく民営化しようとしているのだった。当然、郵便や郵パックといった”荷物”を運ぶ車両はパトカーや消防車と同じく公用車。いろんな意味で民間の宅配業者の車両と扱いが違うのだけれど(緊急時は緊急車両として徴用される)、これまで配達業務に直接関係ない違いばかり。赤灯付いてるワケじゃないから、速度オーバーで配達することも出来ません。

 しかし! 駐車違反取り締まりの民間委託が開始されたらどうなるか? 御存知の通り駐車と停車じゃ、悪質なのは停車である。駐車禁止区域でも「すぐに動かせる状態」(これを停車と呼ぶ)なら、時間に関係なく止まっていい。けれど停車禁止場所なら1秒たりとも止まったらアカンのだ。駐停車禁止違反の場所に止まっている車両がいたら、周囲の状況や、事情など酌量する必要なし! 有無を言わさず即刻キップを切らないとおかしい。

 状況に関係なく一律に取り締まる、というのが駐車違反取り締まり民間委託の基本理念である。さて、民間の宅配業者が駐停車違反の区間にトラックを止め、キー抜き配達に行ったらどうか? 皆さん「荷物の積み卸しは5分まで駐車にならない」と認識してるかもしれないが、こいつぁ間違い。運転手自ら荷物の積み卸し業務など行うなど「すぐに動かせる状態」での5分のみOKとなっているのであり、荷物を持って車両から離れたらアウト。

 も少し整理してみよう。駐停車禁止区間でトラックを止めること自体、現時点でもアウトである。けれど今までは20歳未満の飲酒と同じく見逃されてきた。加えて警察に通報しても、警官が現場に来る頃には居ませんから。しかし駐車違反の民間取り締まりが始まると、けっこう多くの取り締まり員が街中に出てくると思う。この取り締まり員、駐車違反している車両を見つけたら、トラックであっても駐車違反してればキップ切らないとイケナイ。

 黒ネコでも飛脚でもペリカンでもダメ。ドライバーが荷物を持ってトラックを離れた時点で違反成立となる。人ごとながら「どうするのだろうか?」と心配だったりして。ここから本題です。郵政民営化しない状態だと郵便局のトラックはどうなるか? おそらく「国の事業として荷物を運ぶ業務を行う」という理由から、何らかの優遇措置が与えられるんだと思う。実際、郵便局のトラックが荷物を運ぶために止まっている時間は非常に短い。

 もちろん民間の宅配業者だって郵便局と同じ。ウチに荷物を持ってくる人に「あらま! 自動車ジャーナリストの国沢光宏さんですか」、と声を掛けられるようなことはあっても「お茶飲んでいきますか?」と誘ったところで皆さん忙しい。荷物置き、ハンコ押せばたちまち移動する。したがって郵便局と同じく優遇措置を与えてもいいと思う。けれど関係者に聞いてみると、なかなか難しいようなのだ。「どの範囲で優遇措置を与えたらいいか解らない」から。

 つまり『官』と『民』を分けるのは簡単ながら、民の中をどうやって分けたらいいか難しいのだと言う。運送業務をやっているから、と全て優遇措置与えようものなら、悪用する輩がたくさんでてくるだろう。宅配業者からすれば「ふざけるな!」だと思う。残念ながら郵政民営化に向けた動きは一旦停止してしまったが、今や郵便だけ優遇するという流れはおかしい。駐車違反取り締まり民間委託に向け、警察当局はどんな対応をしてくるだろうか?

ベストカー 達人コラムより  

<駐車違反民間委託>

 私自身、駐車違反など全くしないから関係ないけれど(駐車場を使った方が結果的に安いと思ってます)、駐車違反取り締まりの民間委託は大きな感心を集めているようだ。警察も「そろそろ情報を出そう」と考えたらしく、先日取り締まりの基本コンセプトを発表した。内容を見ると、興味深いことに駐車違反認知即座に違反キップ作成という流れになるようだ。確かに「ただちに動かせない状態にある」なら”駐車”となり明らかに違反である。

 これまでの取り締まり方法はあくまで警察の”内規”であり法的にはチョークでチェックし、待っている必要など無い。認知即座に違反キップで問題なし。2車線の道路の1車線を使えなくするなど、交通の流れのジャマになっているような場所の駐車車両についちゃ今まで甘すぎたと思う。例えば東京の青梅街道の渋滞は、90%がジャマな場所に止めたクルマのせいで発生している。そういった意味では情状酌量せずガンガン取り締まるの、大賛成です。

 コンビニの前に止まっているジャマな違法駐車の車両なんかは、素早く貼って立ち去る作戦などで対応して欲しい。成田空港の到着ロビー前に止まっている黒塗りの高級車も、ドライバーが居なけりゃ即座に違反キップを切っちゃいましょう! 東京の台場周辺(港や工場のある地域は同じだと思う)は大型トレーラーが3車線ある道路の中央分離帯寄りに駐車してたりする。これまた有無を言わさず違反キップ! どんどんやってくれぃ、と私は思う。

 問題となりそうなのは以下2つのケース。1つ目はキップ切り始めたら運転者が戻ってきたような状況。考えようによっちゃ「すぐ動かせる状態」。強硬に違反キップを切れば、おそらく駐車違反取り締まり業者とモメるだろう。なんたって民間人同士なのだから。2つ目が「荷物の積み卸し」。現在5分までは良い、広く理解されている。荷物の積み卸しで5分まで認められるのは、駐車禁止のみの場所。都市部の大半は駐停車禁止なのだ。

 もし駐車禁止で有無を言わさず違反キップをバシバシ切られる場所で、停車禁止違反をしているトラックを見逃したらいかがなもんだろう。荷物を運ぶためクルマから離れれば、どう解釈したって停車じゃない。つまり運転者が荷物も運ぶコンビニの配送や宅配便、郵便小包の配達は非常に厳しい立場になってしまう。近所から嫌われているコンビニやお店などは周辺住民から通報されるだろうから、荷物を運び込みのが大変になると思う。

 追記を。民間委託された取り締まりは、デジカメで違反状況を撮影し、証拠にするらしい。といったことから、いろんな意味で「違反をデッチ上げられる可能性があるんじゃないか?」と考えている人もいる。確かにデジカメなら簡単です。「なるほど!」と驚いたのがその対抗策。「駐車している時はナンバーにカバーしようと思う」だって。キーを抜いて止まっている自動車の運転席に無免許の人が座っても違反じゃないのと同じく、止まっている時は物体。

 前後のナンバーにガッチリとしたカバーを付けておけば、違反をデッチ上げられる心配もなくなるという寸法だ。確かにパーキングメーターや、駐車票を車内の見える場所に置けば駐車可の取り締まりなどは微妙な判断になることもありそう。警察なら信用出来るけれど委託業者じゃ納得できないような人は、こういった方法を取るかもしれない。ただカバー付けたまま走ってしまうと捕まるので(撮影用のプレート付けたまま走って止められた人もいます)私はおすすめしません。

<良いデザインって何よ?>

 クルマのデザインというのは難しい。動力性能や燃費なら数値で比較出来るけれど、デザインについちゃ明確な指標などないからだ。新美という弟子がいる。彼はメチャクチャ広い女性に対するスイートスポットを持つ。「すっごい可愛い子がいました! もうダメです!」。写真見せてもらい呆然すること毎度。ただ新美の場合、本当に可愛い子も認めるので、単に何でも良いだけなのだが、好みからして違ってくると簡単じゃありません。スレ違いに終始してしまう。

日産のデザインは悪くないのかもしれないが……

 先日、日産のデザイン担当の方と話す機会があった。御存知の方も多いだろうけれど、最近の日産のデザイン、私は好きでない。中でもコンパクトクラス〜ミドルクラスは、ティーダもノートもウイングロードもラフェスタも、ツリ目のヘッドライトに日産マスクという同じような顔付き。好みじゃないのだ。良いと思えるの、スカイラインクーペくらいのもの(キューブやマーチは個性派俳優みたいなもので、カッコ良い悪いじゃありません)。そいつを素直にブツけたワケ。
 長い話なのでまとめると、デザインのレベル自体は低くないという点に関しちゃ合意に至った。地味に見えるノートのサイドビューでさえ、ジックリ見るとレベル高い。「けれど魅力を感じません」。私が言うと、ここから完全にギロンはスレ違い始める。どうやら『カッコいい』の価値観が違うみたいなのである。男女間に発生する恋愛感情に置き換えて考えてみよう。男でも女であっても、2つのタイプがあると思う。「外見の好みをしっかり持っている人」と「あまり気にしない人」であります。

カコ良い

 前者であり細めの体格を好むとしよう。するとどんな良い人柄であっても”立派な体格”はアカンです。魅力を感じないのだから打つ手ありません。けれど後者のタイプであれば”立派な体格”だって人柄良ければOK。クルマに戻る。オーソドックスなクルマ好きが「カッコ良い」と感じるデザインは、フェラーリやプジョーに代表されるピニンファリーナ系。けれど最近の日産車のデザイン、レベルは高いもののオーソドックスなクルマ好きにとって「良い」と感じる”スジ”と明らかに違うんだと思う。
 細め好きの人は、いくら人柄良くても立派な体格だったら恋愛感情が生まれないということ。参考までにトヨタの戦略と全く違う。トヨタの場合「いろんな趣味の人が居て当然」と考え、デザインの統一性をあまり追求してこなかった(カムリなど見ると最近少し変わりつつあるかも)。見事にバラバラである。されど最近デザインのレベルも急速に上がりつつあると考えます。例えば『ハイエース』と『キャラバン』。この2車、同じような角形でサイズにも制限付く。規定の演技みたいなもの。なのにハイエースの方がずっとスタイリッシュ。

可愛い

 参考までに書いておくと、デザイン論議の結論を出すのはユーザー。商業デザインだから、売れれば「支持された」だし、失敗したなら「受けなかった」。ハイエースとキャラバンの売れ行きを見ると「勝負にならず」。ハイエース圧勝なのだ。されど前述の通りデザインは数字で評価出来無いという決定的な「逃げどころ」が残されている。ハイエースとキャラバンの件、日産のデザイナーに差が付いた原因を聞くと「ハードが劣っているためだと考えます」だって。
 こうなった時に困るのは、車両開発の決断をしなければならないポジションの人。そこで使う判断基準が、いわゆる市場調査というヤツ。「自分に自信や感性は無いけれど物事を判断しなくちゃならない立場にある人」にとっちゃ蜜のように甘い存在になってます。仮に失敗したって市場調査を参考にしたと言えば、大幅に罪は減免されるから。権威のある市場調査会社ならなお良いでしょう! しかし! 市場調査ってデザインの好みと同じくらい「あらら?」だったりする。

カコ悪いけど慣れた

 例えばアメリカで絶大な支持を得ている『J.D.パワー』という市場調査会社があります。2年ほど前から日本進出を果たし活動を開始。すでにスタッドレスタイヤの調査結果など発表した。ちなみにどのブランドのスタッドレスタイヤが日本でのユーザー満足度ナンバー1かというと、2年連続ミシュランだって。あらま! 最も売れており、評判も高いブリヂストンじゃないのだ。この結果について四の五の評価するつもりはありません。けれどスタッドレスタイヤのユーザーでもある私とは全く異なる評価である。
 もし『A』というタイヤメーカーがこの調査結果を見てミシュランみたいなタイヤを作ったなら、全く売れないと思う。これからの時代、重要なのは猛烈に精度が高い市場調査か(専門家から見ても異存ないような結果になるだろう)、感覚の優れた人による時代の読み、そして経験かと。興味深いことにトヨタの役員を見ると、チーフエンジニア経験者がズラリと並ぶ。売れるタレントを選ぶ敏腕スカウト1人の目は、どんな優秀な市場調査会社の判断より正しいと私は考えます。

こんなのもカコイイ!

 

af EXE『修行コラム』より